「瀕死の双六問屋 完全版」-没原稿その2がすごい。。。

【読んだきっかけ】
今の日本の状況をまるで予言しているかのよう。。とネットで最近みかけた本です。

「瀕死の双六問屋 完全版」
忌野清志郎。新人物往来社。2012

【内容】
1998/11~2001/4に『TV Bros.』で連載された忌野清志郎氏のエッセイと絵をまとめた本。

双六問屋=「履歴書のいらない、学歴や職歴を誰にも告げる必要のない世界。みんなが自分の本当の仕事を持っている世界。だから、当然流行に右往左往する者もいない。若者は目上の人々に敬意をいだき、年長者は何が本当に大切なものかよくわかっている」理想郷。

そんな双六問屋の世界から来た俺=キヨシローが紡ぐエッセイというか、物語というか。。。

1つ1つのエッセイは、基本的には1つのアルバムや曲を紹介するための物語であるが、前回の話の余韻を引き継ぎ、次回の話の冒頭に絡みながら、視点が移り変わりながら進んでいく。

そんな物語が少し雰囲気を変えるのは、「君が代」に関しての話が出始めてから(それ以前も時々そういうことがちらっと出てきてはいるけど...「政治家以外の人々は誰も戦争で死にたくなんかないんだよ」(p.56)とか)。

「巷にある歌を俺がどんなアレンジでどんな歌い方をしようが自由だろ。まさかそのくらいの自由はゆるされているんだろうな」(p.67)

しかし、彼を取り巻く世界=現実の日本=今僕も生きている日本は、そんな自由はないようだ。
だから、彼は自由を得るために、歌い続ける。

この
「人々はつまらないことで一喜一憂して、くだらない物に興味をひかれてしまう。真実なんて言葉はすでに私語になってしまった」世の中で。
「いつからこの国はこんなにもセコイ人間の集まりになってしまったんだ」というこの国で。

そして、最終回にはこんな言葉がある(p.212)。
「俺の文章も、10年くらい経ったら、みんなが読んでくれるかも知れない」

「戦争や揉め事が人類の歴史だった。政治家みたいに駆け引きをしたりね。
でも、そろそろそんなのはやめる時期だ。すべての人々が平和に暮らせる世界をみんなでつくるべきだ。この地球という星に裏切られたら、すべてが終わりなんだぜ」

感想のかわりに、ネットで少し話題になっていた、阪神・淡路大震災から5年後に書かれたという、没原稿その2「日本国憲法9条に関して人々はもっと興味をもつべきだ」から。

「地震のあとには戦争がやってくる。軍隊を持ちたい政治家がTVででかいことを言い始めている。国民をバカにして戦争に駆り立てる。自分は安全なところで偉そうにしているだけ」

「(阪神・淡路大震災後から5年を経過して)この国は何をやっているんだ。復興資金は大手ゼネコンに流れ、神戸の土建屋は自己破産を申請する。これが日本だ。私の国だ。」

「(本文中では弟の名前も兄の名前も出していないが文脈から明らかに石原裕次郎の)兄ですと言って返り咲いた政治家。・・・反米主義に拍車がかかり、もうあと戻りできやしない・・・政治家はみんな防衛庁が大好きらしい。人を助けるとか世界を平和にするとか言って、実は軍隊を動かして世界を征服したい」

あぁ。。。10年後にこの文章は確かに読まれています。

ランキング参加中。クリックいただけるとうれしいです。
関連記事

テーマ : オススメの本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

tag : 瀕死の双六問屋 感想

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

No title

すごいですね。。
ただただ溜息です。
清志朗さんはなくなられてしまいましたが、今回こそ自分は
ずっと以前から訴えつづけている方たちの言葉(全部は無理
かもしれませんが、、)を聞き逃さないよ。と思ってしまいました。
プロフィール

ホンの本好き

Author:ホンの本好き
読んだ本からオススメの本を、半分備忘録的に記録します~

最新記事
カテゴリ
最新コメント
FC2カウンター
検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる