「閃け!棋士に挑むコンピュータ」−人工知能(AI)は人間をどう超えるか
2010年に行われた、コンピュータ将棋vsプロ棋士の一戦を、その背景・展開を踏まえて取材した本です。
読んでいるうちに、人間って(コンピュータって)なんだろ、とちょっと思ったりしました。
◆コンピュータ将棋は人間のような思考を持つのか
「閃け!棋士に挑むコンピュータ」
田中 徹、 難波 美帆。梧桐書院。2011。


要約
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第1章 日本将棋連盟への挑戦状
・コンピュータ将棋の開発は、人工知能研究の一分野として1974年にスタートした。1980年代は小学生にも負けるような状態だったが、90年代にコンピュータ将棋同士の選手権が開かれるようになった。
・2010年に情報処理学会が日本将棋連盟にプロ棋士との対局を願う挑戦状を出し、将棋連盟が応じた
第2章 「知能」の探求
・将棋は、理論上は双方が利益最大または損失最小の手を打つことで「先手必勝」か「後手必勝」か「引き分け」のどれかになる「完全情報ゲーム」である(三目並べは引き分け、五目並べは先手必勝などは解明されている)
・コンピュータ将棋は、形勢判断をする「評価関数」で、先の局面を読む「探索」で次の1手を探す
・将棋に先行し、チェスで人口知能研究の一環として研究され、1997年にトッププロを破るまでに至った(IBM「ディープ・ブルー」の世界チャンピオンへの勝利)
第3章 天性の勝負師・清水市代
・コンピュータ将棋への対戦相手として選ばれたのが、当時の女流王将の清水市代だった
・コンピュータ将棋については、それまでほとんど知識はなかった
第4章 「あから2010」と多数決合議制
・コンピュータ側は、「激指」(並列処理による探索能力向上)、「ボナンザ」(評価関数の機械的学習と全幅探索)など4つのソフトを使い、それらを合議システムにより統合する
・合議制の有効性が証明できれば、他分野にも応用できるかもしれない
第5章 清水市代女流王将 vs あから2010
・結果は、コンピュータ将棋のあから2010の勝利
・清水側の敗因があるとしたら、途中展開を読む楽しさに集中しすぎた1手(それにより持ち時間がほとんどなくなり、後半の展開で読みきれなくなってしまったこと
※この章は実際に読んでみたほうが面白いと思います。
なるべく感情を交えない淡々とした記述が、かえって緊張感を浮き上がらせているように感じました。
第6章 コンピュータが見せた「人間らしさ」
・合議制により、人間がみせるような「ゆらぎ」を備えた
・コンピュータが自動で相手を「モデル化」するにはいたってない
第7章 科学者たちが夢見る「アトム」
・コンピュータ将棋の開発者が取り組むことのひとつに、「ひらめき」をもとにした判断力の実現がある
・フレーム問題はじめ、人間とコンピュータの差はあるが、最終的に人間の持つ「生きたい」欲求が、人口知能を人間に近づけるものなのかもしれない
第8章 ロボットに「心」を宿らせる
・人間とは何か、が時代によって変わる。ロボットとの共生により新しい人間像や思想が生まれるかもしれない
第9章 歴史的一戦が遺したもの
・コンピュータ将棋の開発者側、棋士側それぞれがさらに歩みをすすめようとしている
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対局中に、コンピュータの手筋に観戦者が人間味を感じるくだりが印象的です。
そこにみる人間味は、あくまで観戦者の中に存在する「人間的な」何かであり、コンピュータ将棋自体が持ち合わせているものではないはずです。
錯覚にせよ、そういったものを感じるということは、はたして人間らしさとは何だろうといったことを考えてしまいます。
また、対決とは関係ないですが、対戦するプロ棋士側の生い立ちの記述の中で、父親から楽しく将棋を学んだことが書いてあります。楽しみを感じさせながら学ばせること。これはすごく難しいと思いますが、それを実現して育てた親の素晴らしさも感じました。
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読んでいるうちに、人間って(コンピュータって)なんだろ、とちょっと思ったりしました。
◆コンピュータ将棋は人間のような思考を持つのか
「閃け!棋士に挑むコンピュータ」
田中 徹、 難波 美帆。梧桐書院。2011。
要約
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第1章 日本将棋連盟への挑戦状
・コンピュータ将棋の開発は、人工知能研究の一分野として1974年にスタートした。1980年代は小学生にも負けるような状態だったが、90年代にコンピュータ将棋同士の選手権が開かれるようになった。
・2010年に情報処理学会が日本将棋連盟にプロ棋士との対局を願う挑戦状を出し、将棋連盟が応じた
第2章 「知能」の探求
・将棋は、理論上は双方が利益最大または損失最小の手を打つことで「先手必勝」か「後手必勝」か「引き分け」のどれかになる「完全情報ゲーム」である(三目並べは引き分け、五目並べは先手必勝などは解明されている)
・コンピュータ将棋は、形勢判断をする「評価関数」で、先の局面を読む「探索」で次の1手を探す
・将棋に先行し、チェスで人口知能研究の一環として研究され、1997年にトッププロを破るまでに至った(IBM「ディープ・ブルー」の世界チャンピオンへの勝利)
第3章 天性の勝負師・清水市代
・コンピュータ将棋への対戦相手として選ばれたのが、当時の女流王将の清水市代だった
・コンピュータ将棋については、それまでほとんど知識はなかった
第4章 「あから2010」と多数決合議制
・コンピュータ側は、「激指」(並列処理による探索能力向上)、「ボナンザ」(評価関数の機械的学習と全幅探索)など4つのソフトを使い、それらを合議システムにより統合する
・合議制の有効性が証明できれば、他分野にも応用できるかもしれない
第5章 清水市代女流王将 vs あから2010
・結果は、コンピュータ将棋のあから2010の勝利
・清水側の敗因があるとしたら、途中展開を読む楽しさに集中しすぎた1手(それにより持ち時間がほとんどなくなり、後半の展開で読みきれなくなってしまったこと
※この章は実際に読んでみたほうが面白いと思います。
なるべく感情を交えない淡々とした記述が、かえって緊張感を浮き上がらせているように感じました。
第6章 コンピュータが見せた「人間らしさ」
・合議制により、人間がみせるような「ゆらぎ」を備えた
・コンピュータが自動で相手を「モデル化」するにはいたってない
第7章 科学者たちが夢見る「アトム」
・コンピュータ将棋の開発者が取り組むことのひとつに、「ひらめき」をもとにした判断力の実現がある
・フレーム問題はじめ、人間とコンピュータの差はあるが、最終的に人間の持つ「生きたい」欲求が、人口知能を人間に近づけるものなのかもしれない
第8章 ロボットに「心」を宿らせる
・人間とは何か、が時代によって変わる。ロボットとの共生により新しい人間像や思想が生まれるかもしれない
第9章 歴史的一戦が遺したもの
・コンピュータ将棋の開発者側、棋士側それぞれがさらに歩みをすすめようとしている
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対局中に、コンピュータの手筋に観戦者が人間味を感じるくだりが印象的です。
そこにみる人間味は、あくまで観戦者の中に存在する「人間的な」何かであり、コンピュータ将棋自体が持ち合わせているものではないはずです。
錯覚にせよ、そういったものを感じるということは、はたして人間らしさとは何だろうといったことを考えてしまいます。
また、対決とは関係ないですが、対戦するプロ棋士側の生い立ちの記述の中で、父親から楽しく将棋を学んだことが書いてあります。楽しみを感じさせながら学ばせること。これはすごく難しいと思いますが、それを実現して育てた親の素晴らしさも感じました。
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tag : 閃け!棋士に挑むコンピュータ 感想