『医学と仮説』(岩波書店)

医学者は科学的に考えていない。
公害事件や薬害事件などに見られる非科学性を指摘してきた著者による、誤った「科学的な考え方」の見分け方。

津田敏秀 『医学と仮説 原因と結果の科学を考える』。岩波書店。2017

疫学の専門家である著者が、医学者や法曹界における誤った「科学的とはどういうことか」の概念について問う。

・医学において実験が不可欠とする考えは単なる思い込みに過ぎない。しかし、そう思いこんでいる医学関係者が多い
・日本で因果関係の証明としては間接的として扱われる「疫学研究」こそ、国際的には「直接的」な証明として考えられている

・科学に必要なのは仮説と仮説に基づく観察データであり、実験機械は必ずしも必要でない
・実験は科学の必要条件ではない
・動物実験・メカニズム・ミクロの観察(要素還元主義)が科学の必要条件と考えるのは、仮説のレベルを整理できていないため

・科学の必要条件でない要素還元主義にとらわれているため、対策が遅れる。科学の進歩が、よけいに対策を遅れさせている
・裁判官の科学観は、要素還元主義的であり、現場で役にたたないどころか、トラブルを増大させる

・ヒュームが原因・因果関係を定義したことで、経験主義の限界が示されるようになった
・因果関係は言語世界でとらえられるものであり、表現するための語彙が必要。語彙がない人には因果関係の読解ができない

・DAG(非巡回有効グラフ)で因果関係を示し議論をし、余計な要因・矢印を消していくことで因果関係の仮説を整理できる
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