『グローバリズム その先の悲劇に備えよ』(集英社新書)

中野剛志、柴山桂太『グローバリズム その先の悲劇に備えよ』。集英社新書。2017

グローバリズムの声が高まっているのは日本だけであり、世界はその次の時代に向かっている。
2人の著者が、対談形式で世界と日本の状況を分析し、打つべき方策を歴史に求める。

第1章 「怒りの政治」が世界を覆う
・グローバル化が社会秩序を不安にし、国家間の対立を激化させ戦争に繋がるのは、第一次世界大戦前の歴史に見られる。

・グローバル化の終焉は、長期の経済停滞、グローバリズムとへの反動を生み出し、アジアの不安定化に繋がる。これは、第二次世界大戦中に書かれたポラニー『大転換』で書かれている理論が現実に起きていると著者たちは見る
・グローバル化が共同体を壊し、社会から捨てられた人が起こした対抗運動が極端な形となったのがファシズムなど。原因は行き過ぎた自由主義であり、自然・人間・貨幣は市場理論に任せずコントロールすべきで、協同組合や社会福祉、中央銀行によって実現できるというのがポラニー理論

・現在のグローバル化は、行き過ぎた自由主義を再び招き、エリート層は苦しんでいる人を無視している。対抗運動が世界で起きているのは必然である

・ポピュリズムには、大衆迎合主義に加え、反グローバリズムとという要素がある。グローバル化による底辺への競争は、経済的な対立のみならず文化的な対立にまできている

・反グローバリズムの要素は、エリート層による世論誘導が効果がなくなったことを示している。ここには国内の様々な分断が背景にある

第2章 EU離脱は国民主権の回復
・ユーロ離脱の根本原因に、グローバル化の問題があることを意識しないとならない

・規制の帝国化するEUでは、加盟国が主権を回復するための動きが加速している。そこには声が無視される各国民の反グローバル化の思いがあり、エリート層のグローバル化推進の拮抗力として働いている

・自由主義と民主主義の両立は、人々の間に共通の価値観がないと成り立たない。それは、国民ベース(ネイション)までしか成り立たないものである

・EUのさらなる問題は、通貨を統合したことにある。ユーロが市場により価値が決まるということ、そしてドイツの発言力が強くなることが各国の自由度を阻止し、不満を高める

第3章 真の冷戦終結で日本はどうなるか
・ソ連の崩壊により、アメリカでは国内の対立が増幅されている

・日本においては、主権意識の欠如が、グローバル化への反対を生まない素地となっている

・冷戦終結は、アメリカの通商方針を米国第一主義へと変えた

・もとまと日米同盟は日本封じ込めの政策でもあり、結果として東アジアには強い中国のみが残っている

・日本はアメリカと中国への二重従属体制に置かれると思われる

第4章 悲劇の時代に何をなすべきか
・不確実性を前提にした上で、確実なものを見出そうという本来の合理の精神が必要

・経験ではなく、本来の意味で歴史に学ぶことが必要
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