『半減期を祝って』(講談社)

『戦争をよむ』(http://honnohon.blog137.fc2.com/blog-entry-1860.html)で、取り上げられていた小説。

津島佑子『半減期を祝って』。講談社。2016

3つの短編小説からなる本書。
「ニューヨーク・ニューヨーク」や「オートバイ、あるいは夢の手触り」という作品に続き、
「半減期を祝って」が収録される。

30年後の日本。戦後100年。その頃の日本はどうなっているだろうか。そんな作者の思いから書かれ始める表題作
東京電力福島第一原発事故から飛散したセシウムの半減期を祝う放送が流れる。

日本は、
世界の中での地位が急速に低下する中で国際的に孤立した軍事独裁国家となり、
(←このあたり、某隣国的な。。)

「ASD」と呼ばれる少年少女の愛国団へ入団希望者が殺到して、団員は反社会的な人間を狩り出し、
(←このあたりは、ナチスの手口に学べといった某政治家を思い出したり、あるいは現政権と関係が深いプロデューサーが仕掛ける芸能グループを想起したり)

トウホク人は差別、迫害され、どうも排除されシャワー室に送られているらしく、
(←ナチスドイツ下のユダヤ人迫害と同様に。。)

物語の主人公のトウホク人である老女は、原発事故で避難してから30年目を閑散とした超高層住宅で過ごす。

すべては
「変化は思いがけないところからはじまった。そして、その変化はもう、だれにも止められない。
 今まで、なにも気がつかないフリをしてきた。気がつきたくない、なにかに気がついたところで、どうすることもできないのだから。」
(p.104)
という文章になるのだろうか。

30年後は遠い未来ではないし、小説は現実から離れた存在ではない。
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ジャンル : 本・雑誌

tag : 半減期を祝って

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