『無意識の心理』(人文書院)

ユングの心理学についてはいろいろな本で出てくるが、著書自体を読んだことがなく、復刻版が出ていたので読んでみました。

C・G・ユング(著)、高橋義孝(訳) 『無意識の心理』 人文書院。2017

ユング自身による心理学への一般的入門書として書かれた本(第一版序言)。

第1章
フロイトにより精神分析が編み出され、神経症的症状の「心因性」が重要視されるようになった。
外傷に対する反応ではなく、その外傷により神経症的症状を引き出す原因となる心理的な背景へ焦点があてられるようになった。

第2章
フロイトの理論では、心理的な背景は性愛的葛藤が重要とされる。夢の分析から、心理的葛藤を探す上で、フロイトは性愛的契機を重視し、そこに意味づけを与えてきた(意識と、意識では許されない無意識的願望の衝突-抑圧)。

第3章
精神分析は、性愛的葛藤という見方だけではなく、権力意志の立場から見ることもできる。それを行ったのがアードラーであり、自我の権力を重視した分析を行った。

第4章
フロイトとアードラーの理論は両立できないように見えるが、互いに否定しあうのではなく、同じものの二つの相反する面を捉えていると考えられる。フロイトは客体を、アードラーは主体を強調しているが、それは人間の精神にある2つの状態の対立を示す(客体に興味をもつタイプの人間と、主体に興味を持つタイプの人間がいる)。
対立緊張のエネルギーの昇華・転移がどこに向かうかの違いは、2つの人間のタイプの違いで異なるが、フロイトやアードラーの理論を技術的手段として利用する限りは衝突しない。

第5章
転移は無意識的書内容の投影である。この無意識には、個人の記憶のほかに、多くの人間に共通の「原像」が表象作用の可能性の遺伝としてある。ユングが神話類型と名づけたこの考えにより、無意識は個人的無意識と超個人的無意識の2つの層を持つと考えられる。
神話類型は、個人に対して影響を持つが、個人的無意識や意識からは攻撃されるものでもあり、対立が個人の中に生まれる。

第6章、第7章、第8章
無意識の対立との折り合いは、客体的見方だけでなく主体的見方の適用によって分析される必要がある。
非合理的なものを承認しながら、現実としてではなく心的現実性として受け取ることが必要であり、超越的無意識のポジティブな個人への影響の部分も着目する必要がある。

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