『戦争をよむ』(岩波新書)

日本における文学と戦争の関わりを、70冊の小説から読み解いていく。

中川成美『戦争をよむ 70冊の小説案内』。岩波新書。2017

古代より文学は、戦争における人々の高揚、勇気、緊張を書いてきた。
近代以降の文学は、こういった面を持ちながら、同時に戦争への懐疑・なぜ戦争が起きてしまうかを示す方法を求め、リアリスティックに描いたり、感情を描きながら戦争との共犯関係からの脱出を求めてもいる。
著者はいくつかのテーマ別に作品を紹介しながら、それぞれのテーマに立って見たときに、その作品が戦争をどう伝えたかを示す。

第1章 戦時風景
戦争は日常の中に生まれ、日常に溶け込み、戦争そのものへの危機感を排しながら、人々の日常を戦争に結びつける性質を持つ。
そんな中での人々の見た風景や緊張感が文学に示される。

第2章 女性たちの戦争
女性は平和を希求するというジェンダー的な見方に対し、そういった常識に沿う/沿わない作品が紹介される。
そこには、女性が女性の内面にどう戦争を定着させたかが見られる。

第3章 植民地に起こった戦争は―
主に日本の行った植民地政策は征服する/される人々の心情に何をもたらし、どんな作品となって表れたかが書かれる。

第4章 周縁に生きる
戦争に対する問題意識を、主にプロレタリア文学などから読み取り、そこでは何が戦争を生み出したと考えているかを示す。

第5章 戦争責任を問う
戦争の暴力性を告発することで、戦争を生み出す人・社会を糾弾する。しかし、その中でも自分自身の中にある戦争への思いを考えざるを得ない。そんな作品を見ていく。

終章 いまここにある戦争
今現在の日本における戦争への思いをどう捉えるか、文学にそれを読む。
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