『臨海産業施設のリスク』(早稲田大学出版部)

7月に読んだ本。最近少し地震が多いなあと思いつつ。。

濱田政則『臨海産業施設のリスク 地震・津波・液状化・油の海上流出』。早稲田大学出版部。2017。

主要産業施設が、天災や事故で受けてきた被害を概観し、その影響や今後の被害予測、対策を検討する。

1章では臨海産業施設がどのような原因で被害を受けてきたかが概観される。

・地震の直接的な揺れが、LPG球形タンクの火災をもたらした。この要因に、施設の老朽化が抜け落ちてることに著者は危惧する
・重油タンクから油が流出する被害については、底板と側板の接合部への応力集中が原因であるが、その視点が以前はなかった
・液状化はタンクのけいしゃだけでなく、防油堤の破損(油流出を防げない)、河川や道路への被害など広範囲に渡る
・臨海産業施設の被害は、被災前の貿易量などを激減させ(神戸港)、経済的な影響も大きい
・長周期地振動による被害は、浮屋根式タンクにおいて内容物のスロッシング振動による油漏れを発生させ、火災等につながる
・津波による被害

2章では、東京湾・伊勢湾・大阪湾について被害予測を行う。

・東京湾の京葉地区は液状化被害が大きく予測される
・長周期地震動による油漏れ被害は、東南海南海地震でも大きい。

3章では臨海産業施設が被災した場合の経済損失が試算される。護岸の復旧、港湾の輸出入機能の停止などが計算される。
シミュレーションの設定によるが、例えば東京湾北部地震が発生した場合に、横浜港や川崎港も油の拡散で使えなくなる恐れがあり、一兆円超の経済損失まで考えられる。

4章では、産業施設へどういった強靱化技術が適用できるか、液状化対策などが示され、例えば東京湾では6000億で護岸の強靱化が可能と試算される。

5章では、国土強靭化基本法と、そこからの施策がどのように進められているかを概観し、事業と研究の進捗の逆転へ警鐘を鳴らしている。
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