『スポーツクライミング教本』(山と渓谷社)

クライミングなんてしたことがないのですが、この本は興味深くて読んでしまいました。

東秀磯。『完全図解 スポーツクライミング教本 クライマー必須のクライミング技術を分析』。山と渓谷社。2017

一流のクライマーであり、国内の大型クライミング設備の設計を行う著者による、クライミング技術の教本。

単にクライミングのテクニックを説明するだけではなく、それぞれのテクニックを円滑に行うためでの小さなコツ、そして、そのコツ(あるいはテクニックそのもの)がなぜ有効かを、科学的(物理的)に解説しており、理解をスムーズにしているのが本書のポイント。
イラストは体の状態を示すだけでなく、体に(重力など)どういった力が働いているかを示し、テクニックがどうその力に対して作用すかをわかりやすくしている。

「chapter1 クライミングの基礎」は、他の運動などにも共通する考え方が示されている。
自分の動き(スポーツ)の特徴は何か
-クライミングの場合は、サッカーなどと違い、固定されている対象物に対して自分を当てはめていくこと

その動きの特徴において必要な能力は何か。その能力を支えるものは何か
-クライミングの場合は、ホールドの保持力(フィジカル要素>テクニック要素)、ムーヴの遂行能力(テクニック要素>フィジカル要素)、ホールドの引き付け力(フィジカル要素>テクニック要素)
-自分にない能力によって落ちるので、そこを補うことが必要

ムーヴの構成と物理的要素の関係
-ムーヴには、力のモーメント(回転を生じさせる性質)、慣性の法則、加速度、作用・反作用といった物理的要素の理解と利用が必要
-効率よいムーヴには、作用点に視点を近づけることで、必要な力を小さくするテコの原理などの理解と、それが体の動きや位置に具体的にどう示されるかを理解することが必要(壁に腰を近づけると始点に作用点が近くなり必要な保持力が下がる、2点支持より3点支持のほうがモーメントを抑制=回転しにくくする)
-慣性の法則を利用するためには、流れを切らない
-加速度の利用には、足先から力を出し、動き出してから手の力を使う、足-脚力-腕の引き付け-手のキャッチ、など体の中で伝達的に力を使うことでだんだん速くする
-作用・反作用の利用には、反対方向への力を使うことを知る

chapter2以降は具体的な技術紹介になり、個々の細かいテクニックが基本から応用まで幅広く紹介されている。

自分が行う合気道で、この本で示す技術と似ている、と思ったのは
・ティッシュプル(皮膚の遊びをとる)ための指の滑らせ-握りこむのを後にする
・摩擦力での保持や摩擦力の利用(そのための手の角度の維持)
・壁に近づく-支点と作用点を近づける-相手との位置(遠くからやろうとしない)

また、面白そうだとおもったのが
・モーメントの2点支持と3点支持の話(相手をどういう2点支持の状態に持っていければ崩しやすい?)
・足のフラッギングなどバランスのとり方が何かに応用できないか
などの技術
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