『18歳からの哲学的リアル』(ミネルヴァ書房)

6月に読んだ本。

大橋基。『18歳からの哲学的リアル 「常識」の解剖学』。ミネルヴァ書房。2017

大学で哲学を教える著者による、哲学入門の前に立つ者への哲学案内的図書。
いわゆる「常識」に対し、どう哲学的に考えるか(それぞれのトピックをある哲学者が考えたか)を、映画・ラノベ・マンガなどを導入に用いながら紹介していく。

第1章 人生には「失われた1日」がある
ピュリッツァー賞受賞の「ハゲタカと少女」を撮った写真家についてを導入に、自分の存在について、ヘーゲル等の考え方を紹介しながら考える

第2章 「話せば分かる」では分からない
マンガを題材に、私と周囲の抱く私(あるいはもっと大きな社会と社会のイメージ)などを考える

第3章 もろく曖昧な「善/悪」の境界線
村上春樹の『海辺のカフカ』を題材に、私の行動の善悪について、アーレントやニーチェの考えを出しながら考察する

第4章 「毛づくろい」なら猫でもできる
ファッション(的なもの)から、身体と精神や人間の意志などをデカルトを引きながら考察する


第5章 好きだの嫌いだの,愛だの恋だの
愛について、ボーヴォアワール/サルトルの事例を出しながら、夫婦愛、家族愛を考えていく

第6章 「優しい嘘」は残酷な傷跡を残す
『マディソン郡の橋』から、嘘が許されるのかどうかをカントの倫理学を中心に考える

第7章 孤独な僕らの「メメント・モリ」
マンガを題材に、医療や生命倫理、そして自分自身などの死についてを考える

第8章 「不便」が「不幸」とは限らない
シンガー事件から、子と親の関係などを考え、同質と異質についてを考える

第9章 「リビング・デッド」のつくり方
『わたしを離さないで』から、クローン技術がもたらす自分や身体について考える

第10章 「正義の天秤」の設計図を紐解く
格差社会のなかでの個人の自己責任についてを取り上げ、平等や正義をロールズの考えかたを参考に考察する

第11章 「リヴァイアサン」は目覚めかけ
管理社会を格差や排除と関連させながら考察する

第12章 「復讐の連鎖」に楔は打てるか?
テロを題材に、道徳と政治について、また平和の確立についての可能性を考察する

第13章 人間が「精霊」と共に暮らす条件
『夏目友人帳』を題材に、名前(名づけ)から始まり、自然と人間についてを考える

第14章 「ディストピアの救世主」の資格
環境問題から、現世代と将来世代の関係などを考える

第15章 「人間」という厄介な「生き物」
人間という存在についてを、改めて哲学的な見地から考え、哲学が与えうる対話・会話の可能性を探る

今まで自分が読んできた本が出てきたりする中で、いわゆる常識というものを離れて考える(きっかけとして哲学がある)ということを改めて学べる。
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ジャンル : 本・雑誌

tag : 18歳からの哲学的リアル

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