『ヒトラーに抵抗した人々』(中公新書)

5月に読んだ本。

對馬達雄 『ヒトラーに抵抗した人々 - 反ナチ市民の勇気とは何か』。中公新書。2015

ナチスドイツ政権は、国民の圧倒的な支持を元に成立し、その政権がもたらす利益を求め倫理的な問題から目を背ける大多数の国民により存続した。

本書では、そんなナチスドイツ政権下において、反ヒトラー・反ナチの立場をとり、立ち向かった人々の姿が書かれる。
主な反ナチ市民活動として本書で取り上げられているのは、

・「エミールおじさん」-ベルリンでユダヤ人救援を続けた市民グループ。
 -他に同様の宗教や道徳的理念に基づくユダヤ人救援グループとして「ローテ・カペレ」や個人の行動なぢ

・「白バラ」-反ヒトラー、反ナチのビラをまき処刑されたショル兄妹と仲間

・「クライザウ・サークル」-ヒトラー暗殺とその後のドイツをどうするかを考えた知識人+反ヒトラー軍人による活動

・ゲオルグ・エルザー-個人的な信条と戦争拡大防止のため、たった一人でヒトラー暗殺を企てた個人

など、多くの反ヒトラー運動。

しかし、彼らの名誉が戦後に回復されるのには時間がかかった。そこには占領政策として悪いドイツしかなかったとしたい占領国の思惑もあり、またナチスを支持した圧倒的多数の市民の内面の問題もある。

本書のポイントとしては、著者が何度も書いているように、ナチス政権が大多数の国民の圧倒的な支持を、終戦(あるいは戦後も)まで受けていたということ。
ナチス政権が目先の利益を国民に与え、それが国民に非人道的なホロコーストへの反対を言わせなかった(むしろ、積極的に支持したとも言えるかもしれない。。。)という事実があって、その中での抵抗運動の困難さが示されている。

そういう意味では日本も同様であったが、では戦後のドイツ・日本の違いはなんだろうか。
なぜ、日本では戦前回帰の政治・社会的な動きが許容(というよりは再び積極的な支持や目を向けない状態)が起き得るのか考えてしまう。
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