『わかったつもり』(光文社新書)

5月に読んだ本。
わかったつもり、がかえって物事(文章)の理解を邪魔することを示し、わかったつもりからの脱却がどのようにできるかを示す。
著者は教育学の研究者で、授業実践の研究会の成果なども本書に活用されている。

西林克彦。『わかったつもり 読解力がつなかい本当の原因』。光文社新書。2005


・わかった状態とわからない状態
わからない状態-文章や文において、部分間の関連がつかない状態

わかった状態 -文章や文において、部分間の関連がついた状態
 →部分間の関連が以前よりより緊密になると、よりわかった・よりよく読めたという状態

・部分間の関連をつけるために、人は文中に記載のない知識や、自分で作った想定・仮定を使っている

・人は(その人にとって)「わからない点がない状態」=「わかったつもり」(浅いわかった状態)となると、そこから先の探索活動にすすまない
 -わかった(つもり)状態はひとつの安定状態であり、そこから先に行く必要性がないため。

・わからない状態(探索をする)ではなく、わかったつもり状態(浅い探索でやめる)こそが、脱出が難しく読む行為を妨げるもの

・わからない状態は文脈(何の話なのか)がわからないことから生じる
 -文脈がスキーマ(何かに対するひとまとまりの知識)を発動して文脈からの情報と共同して働く
 -文脈がそれぞれの部分の記述から意味を引き出す(文脈が異なれば異なる意味が引き出される)
 -文脈によって引き出されたそれぞれの意味に関連ができると文がわかる(わかった状態になる)

・わかったつもり状態は、文章の構成と読み手のスキーマによって構成される(3章で実例を見、3・4章で解説)
 -文章の構成が読み手にわかったつもり状態をもたらす(結果から/最初から文章を誤って理解づけ、いろいろあると認識するとそれ以上進まない)
 -読み手の既存の知識が全体/部分に勝手に適用されてそれ以上の理解を妨げる(読み飛ばしの誘発、ステレオタイプが簡単に当てはめられる)

・わかったつもりからより深いわかったへはどのように進むか
 -新たな文脈から新しい意味が引き出され、新しい意味が矛盾や無関連を生むことでわからない状態を作り、そこから新たな関連づけがされることで行われる

・わかったつもりを壊すには
-私はわかったつもり状態にいるに過ぎないという認識 
-文章のまとめを意識的に行う。まとめが簡単すぎた場合は、ステレオタイプか文章構成からのわかったつもりの可能性が高い
-間違いがわかるまで解釈を保持(整合性があるからといって、それが唯一の正しい解釈とは限らない)
 
関連記事

テーマ : オススメの本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

tag : わかったつもり

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

ホンの本好き

Author:ホンの本好き
読んだ本からオススメの本を、半分備忘録的に記録します~

最新記事
カテゴリ
最新コメント
FC2カウンター
検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる