『サーキュラー・エコノミー』(日本経済新聞社)

honnohon

ピーター・レイシー、ヤコブ・ルトクヴィスト『サーキュラー・エコノミー』。日本経済新聞出版社。2016。

新たな付加価値、新たな成長の視点を、既存の資産を循環的に使い倒す経済モデルである「サーキュラー・エコノミー」に求め、その経済・ビジネスモデルを、理論的・具体的両面から示す。
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サーキュラー・エコノミーの本質は、市場・顧客・天然資源の関係性を新しい視点から見直すことにある。
無駄を富に変えるこの経済モデルは、現在の一方通行型経済モデルがもたらす資源の枯渇や経済機会の損失への回答であり、本書はアクセンチュアによる新しいアプローチを示している。
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第1部「サーキュラー・エコノミーの時代」では、現在の一方通行型経済モデルの崩壊が定量的に示される。
GDP成長率<コモディティ価格上昇率となった現在、企業のこれからの増益は見込みにくい。
この構造の背景には、
1、資源の希少性の増大による需要増への対応不可
2、再生可能資源の不足
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3、プラネタリー・バウンダリーの浸食による生態系の危機とそこからの利益の減少
がある。
さらに、そこに一方通行型経済モデルのもたらす廃棄物の増大があり、資源価格の上昇が企業の収益を悪化させている。ここに、現在の経済モデルの限界があり、今後の世界的な人口増加には耐えられない。
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第2部「サーキュラー・エコノミーの5つのビジネスモデル」では、サーキュラー型のビジネスモデルが、章ごとに実現している企業の例と共に書かれる。
1、サーキュラー型のサプライチェーン
自社または他社用に、再生を前提とした資源を供給するモデルである。これには相当な投資も必要となる。
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2、回収とリサイクル
無駄として廃棄されていたものを、回収・加工し、リサイクル材料やリサイクルエネルギーとして使用するモデルが書かれる。このためには再利用しやすい設計、資源の品質維持などの課題がある。
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3、製品寿命の延長
商品の量でなく機関から利益をもたらすことを目指す。修繕や再販、アップグレードやリフィルなどがあり、課題としては設計における長期の製品ライフサイクル、チャネル企業やフィールドサービスの役割の変化がある。
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4、シェアリング・プラットフォーム
共同所有や共同利用による改善を図る。シェアリングによる利便性、低価格、高品質の提供が求められるが、課題として営利企業の関わり方やワーキングプアとの関係などが挙げられる。
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5、サービスとしての製品
従量制やリース、パフォーマンス契約により、製品そのものでなく製品が生み出すサービスを提供しそこから利益を得ようとするものである。
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第3部「サーキュラー・エコノミーの競争優位性「サーキュラー・アドバンテージ」を獲得する」では、第2部のビジネスモデルの導入方法を導入することで得られるアドバンテージを考察する。
ここに必要となるのが、革新的なテクノロジーであり、本書は10のテクノロジーを挙げる。
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デジタル技術では、モバイル、M2M、クラウド、ソーシャルテクノロジー、ビックデータアナリティクスが、
エンジニアリング技術として、モジュラーデザイン、スマートリサイクル、ライフ&マテリアルサイエンスが挙げられる。
相互をまたがる技術として、トレース&リターン、3Dプリンタがある。
03-10 07:23

これらのテクノロジーを利用しながら、企業としての戦略転換を検討する上で、
・資源制約・顧客への価値・技術革新がどうかの明確化
・今のモデルの無駄(資源、ライフサイクル、キャパシティ、潜在価値)の明確化
・設計の課題解決(長寿命、再利用、再生などの考慮)
が必要となる。顧客との関係も変わる
03-10 21:27

サーキュラー・エコノミー実現には、企業の努力や変革だけでなく、政策的支援も必要となる。
03-10 21:28

第4部では「初めの一歩」として、経営陣が取り組むべき課題や考え方を示しながら、今始めることの重要性を説く。第5部では、さらに日本企業における新しい成長戦略として、このビジネスモデルを考察する。
03-10 21:31

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