『小林節の憲法改正試案』(宝島社新書)

1/30の週に読んだ本。

小林節 『小林節の憲法改正試案』。宝島社新書。2016

改憲論者。。。という言葉がもう当てはまらないというか。。。
著者は、かっては改憲論者として、そして今は自民党の改憲案への最も激しい反対者の一人として立つ人物。
そんな彼の自民党の改憲案への反対の根拠と、彼自身の改憲についての考え方をわかりやすく知ることができる一冊。

第1章 自民党の憲法改正草案の問題点
なぜ著者が自民党の憲法改正草案に対して反対か、具体的な問題点を挙げ、その改正が何を意図してどんな危険性があるかを示す。

・草案102条「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」-憲法が統治者の権力濫用を予防するためにあるという憲法の原理原則を無視し、国民を権力者に隷属させる根拠として憲法を使おうとする考えが示されている

・草案「全て国民は、人として尊重される」-現行憲法では「個人として」となっている部分が意図的に「人として」とされている。これにより、個人と言う人格ではなく、単なる生物として一般国民を扱おうという意図を示している

・草案9条の3「国は、主権と独立を守るため、国民と協力して領土、領海および領空を保全し、その資源を確保しなければならない」-この条項によって、国は国民に協力を強制することができる(前述の草案102条で国民の憲法尊重義務を示していることから)。これは徴兵制につながっている。

そのほかにも、草案47条での一人一票の否定、過半数での憲法改正発議、新自由主義の根拠付けなど、非常に怖い内容であることに、国民一人ひとりがもっと危機感を持たないと。。。

第2章 絶対に不可欠な基礎知識の再確認
人権・憲法・立憲主義・民主主義・政治、の5つのキーワードを基礎知識として再確認する章。

人権-その人がその人であることを否定されないことを保障する法的な力。
憲法-決して最上位の「法律」-人を従わせるための法ではなく、人権を守るための法であり、権力を縛るための法。
立憲主義-権力者は憲法を守りなさい、という言わずもがなのはずのこと
民主主義-多数決民主主義と立憲民主主義の2つ
政治-国民を幸せにすることが目的。幸せは自由・豊かさ・平和

第3章 私の憲法改正試案の要点
著者による試案のポイント

・表現の自由を人権として最大限保障することをしっかり示す
・侵略戦争への反省の明記
・戦争を侵略戦争・自衛戦争・国際警察戦争と分けて、侵略戦争への絶対否定、自衛戦争の法的確立(そのために自衛権保持と軍法会議設置などを記す)
・憲法は権力者に義務を課し、国民の人権を守るということを徹底的に示す

第4章 小林節の憲法改正試案の全文
第5章 憲法改正試案対照表
ここでは、著者自身の憲法改正試案の全文と、現行憲法・自民党改正草案の全文の比較が示される。
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