『ニューディール期民主党の変容』(慶應義塾大学出版会)

12/26の週に読んだ本。

西川賢 『ニューディール期民主党の変容 政党組織・集票構造・利益誘導』。慶應義塾大学出版会。2008

アメリカの1930年前後、特にニューディール期に民主党の政治組織がどのような変化を起こしたか、そして、それがどういう社会背景を元に、どういった層を対象にしたものであったかを、歴史・政治の二面から、ペンシルヴァニア州を中心に論じていく。

1910年代まで、ペンシルヴァニア州においては共和党が絶対的な支配体制を構築していた。パトロネージによる政治的利益の配分とその見返りの政党支持という体制を作っていたのが「五時会」と呼ばれる政党マシーンである。

しかし、この共和党支配体制は、世界恐慌とニューディール期に動揺し、民主党支配体制へとって替わられる。この時点では、まだ民主党がそれまでの共和党的な集票構造と同じ体制を、よりうまく(優れた個人の資質により)作ったにすぎない。

政党組織や集票構造が変わるのは、ローズヴェルト大統領が失業救済政策を利益誘導の手段として使用した1930年代であり、政党マシーンの機能はLNPL(労働無党派連盟)へ移っていった。ここに、労組と民主党が依存する関係ができあがったと著者は考える。

民主党は中核的支持層を低所得者層に求めたため、その政策も低所得者層から支持が得られる再分配的な性格を強めていった。
ここに、「統治」(理想的な政治)と「政治」(利益誘導などを必要とする実際の政治)の違いを認識したローズヴェルトの態度を著者は重要であるが今まで省みられなかった部分として挙げる。
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