『読書と日本人』(岩波新書)

12/19の週に読んだ本。
津野海太郎(著) 『読書と日本人』。岩波新書(1626)。2016

前半は日本の読書史(社会・生活の中で読書がどのように受けとめられ、行われてきたか)。
後半は「読書の黄金時代」である20世紀の中で、読書(出版、書籍)がどのように社会の中に溶け込み、急進し、そして衰退していったかを書く。

更級日記に読むことのできる著者の『源氏物語』の読書スタイル(一人で1つの作品を一気に読んでいくようなスタイル=<小説読み>)を、それまでの主に男性が行ってきた研究的な読み方である<学者読み>と対比させながら、日本における個人的な読書の始まりを探る。
そこからの日本における読書スタイルの変化を、住宅の構造(個室や一人が確保できるような空間)の変化や、社会における階層の変化と使われる文字の変化、人の移動の発生、幅広い層への教育など様々な要因から考察していく。

後半は、日本における活字印刷のメジャー化と、派手な広告・大量印刷により人々を雑誌・本へ向かわせたいくつかの新しい出版形態とそのブーム(百万雑誌、円本、文庫)を取り上げ、また電灯の登場など生活様式の変化から、読書が黄金時代を迎える様子を書く。

戦前、戦後におけるこういったブームは、書籍の「消費」を生み出し、売れる本がいい本という動きの中で、「かたい本」から「やわらかい本」へ一気に売れ筋を変化させた。そして、書籍の出版点数の急増が、同時に本離れを生み出していく様子が書かれる。
消費される消耗品である本に望まれるようになったのは、新品や新奇性でああり、細く長く売れるような本が扱われなくなっていくということも発生している。

こうした中で、読書スタイルも多読に傾きがちだが、だからこそじっくりとした読み方への流れが今発生していると書かれる。
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