『戦地の図書館』(東京創元社)

12/19の週に読んだ本。
モリー・グプティル・マニング(著)、松尾恭子(訳)
『戦地の図書館 海を越えた一億四千万冊』
東京創元社。2016

第二次世界大戦、アメリカとドイツは軍事力というハードパワーだけで戦っていたわけではなく、ソフトパワー(文化)でも戦っていた。

本書は、第二次世界大戦中にアメリカで行われた「戦勝図書運動」=寄付により本を集め、戦地にいる兵士へ送ろうという運動を書いたものであり、またアメリカの出版業界が兵隊文庫と名づけられた文庫を各社協力のもので発行し兵士たちへ送り続けた事を丹念に追う。

ナチス・ドイツが戦争にあたり行ったのは「焚書」。ナチスの思想に反すると考えられた多くの本が、広場や大学に集められ、燃やされたという歴史から本書は始まる。ナチスがヨーロッパ各国に侵攻した中で行ったのも、その国の図書館の破壊や書籍を捨てさせること。
こういった文化の否定に対し、アメリカの採った行動はまったく異なっていた。
戦地で凄惨な状況下にある兵士にこそ、書籍が必要。
この思いは、全国の図書館員、作家などにより戦勝図書運動として、国民から本を寄付により集め、戦地へ送るという運動につながる。また、商売上はライバルである書く出版社も協力し、軍の依頼に基づきながら、兵士が持ち運びしやすい(そして、それ以上に配給制度による紙資源の減少への対策として)軽量なペーパーバックで特殊な段組をした兵隊文庫を開発、印刷し戦地へ送る。
そうした活動で戦地へ送られた本は1億4千万冊。

戦場で、兵士たちが送られてくる本を心待ちにし、またむさぼるように読んでいた状況も詳しく書かれる。
戦いの合間のつかの間の休息に、負傷し戦地の物資の乏しい病院のベットの上で、あるいは戦闘のさなかの身動きの取れない状態の時に。。。

兵士へ本を送る目的が、単に気晴らしだけではなく、兵士へ戦争の意味を考えさせたり、戦争末期には復員後のことを考えることもできるようにと考えられていたということも書かれており、またその目的に沿って送られる本が変わって言ったというのも興味深い。

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tag : 戦地の図書館 海を越えた一億四千万冊

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