『大和コロニー』(旬報社)

12/5の週に読んだ本。
『大和コロニー フロリダに「日本」を残した男たち』
川井龍介。旬報社。2015

アメリカ、フロリダ州の地方紙で研修生を行っていた著者が、ドライブ中にチラッとみかけた道路名の表記。
「Yamato Rd」
Yamato=ヤマト、日本語?

その後、著者は南フロリダに「Morikami(モリカミ)」という、日本人の名を冠した庭園があることを知る。
20世紀の始め、モリカミ他何十人かの日本人がアメリカへ移民し、フロリダにコロニーを作っていたということを知り、著者は彼らの足跡を追う。本書は著者の調査によって浮かび上がってきた、日本・アメリカの移民事情を背景にした、日本人のフロリダへの入植と挫折、そして日本に帰らなかったMorikamiの物語である。

本書を貫く1人の入植者は、森上助次。京都の天橋立近くに、農家の長男として産まれた彼は、失恋の失意の中で知人からのフロリダ入植の誘いに乗り、アメリカでの農業成功を夢見てフロリダへ渡ることを決意する。

当時の日本では、海外移住が積極的に行われており、助次が移民を決めた時期(1900~1908年)にはアメリカへ6万人以上が渡っていた。そこには、ハワイやアメリカが農園や開墾事業・開発事業等で働く労働者を必要としていたことと、日本では地租改正により農民の生活が苦しくなっていたという背景があった。

日本からフロリダへの入植については、理想の入植地を求め、教育のある者が主導したことが1つの特色である。
中心となったのは、同志社大学(の前身の1つである同志社普通学校)からの留学生、酒井穣。
彼はフロリダの気候を気に入り、日本から数十家族を移住させ理想的なコロニーを作る計画を立てて実践する。
(当時のアメリカへの移住事情は2章、酒井の計画とコロニー誕生・歴史は3章・4章に詳しい)

助次が移住したのは、この酒井が興した大和コロニーであり、彼は様々な苦労を乗り越えながら移住生活を続ける。
英語を学ぶために小学校に入学し、農業ではメールオーダーと言う方法を考え出して受注を得る、そうした中で土地の購入により一時は資産家とも言える地位を得たが、自然災害によるフロリダの地銀閉鎖による破産とそれに続く大恐慌で財産を失う。。。

同時期、大和コロニーの中心人物だった酒井を始め、世界情勢を受けてコロニーの有力者達は徐々にアメリカを引き上げ日本へ帰国していく。
しかし、助次はアメリカに止まり、戦後も一人で農業を続けていく。。。
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