『星新一 時代小説集 天の巻』(ポプラ文庫)

honnohon

11/9に読んだ本。
『星新一 時代小説集 天の巻』
星新一。ポプラ文庫。2009
星新一と言えばSF。であるが、ここに収められているような時代小説も書いている。そんな氏の時代小説を集めた文庫。
11-09 19:09

「殿様の日」は、殿様のある一日を描く。
朝起きてから夜寝るまで、殿様は様々なことを考えながら、しかし決まり切った淡々とした現実を過ごす。
漠然とした不安と、日常の繰り返しの安堵感のようなものが混ざり合う文章が、いつのまにか読んでいる僕自身を夢の中にいるような気分にさせる。
11-09 19:14

「江戸から来た男」は、ある藩の上層部の武士たちが、藩内に居る一人の男を巡り疑心暗鬼となっていく様を書く。
隠密ではないのか、ただの庭師なのか…疑心暗鬼はやがて藩の内部を分裂させていく。
11-09 19:17

「道中すごろく」は、勘定奉行を約束されている男の仇討ち物語。
とは言っても仇討ちの悲壮感はなく、金にモノを言わせながらユルユルと旅をする主人公。予定どおりに仇討ちを果たすことができるのか…
11-09 19:19

「紙の城」は、書物方同心として、藩の書庫で働く武士の物語。
当初は出世を夢見ていたものの、現実にはそんな道がないと言うことを知った時、彼は自分の中にある才能を活かして副業を始める。それは書の偽物作り。
初めは書家の書を真似ていたが、徐々に書類の偽造へと手を伸ばし…
11-09 19:22

「春風のあげく」は、自分の子供が殿様であると信じる男の物語。
子供=殿のため、彼は仕事に勤しむが…
11-09 19:24

「すずしい夏」は、冷涼な気候の藩の物語。
すずしい夏がもたらすもの、それは凶作、飢饉、そして藩と自分たち武士の窮乏。窮地を脱すべく採った奇策とは。オチでさらに涼しくなる。
11-09 19:26

「殿様の日」、子どもの頃に読んだ時は、退屈そうなしかし安定した殿様の生活を単純にそんなものかと読んでいたが、大人になって読むとまた少し違った印象が。
殿様の諦観は、殿様としての人生だけでなく、もっと大きな社会やあるいは世の中全てが、もしかしたらある枠組みの中で、ほぼ決まりきったようにしか動けないのかもしれないということに気づいたことからきているのではないか。
その諦めに自分を投げ込み流れるままにすることで安らぎを得ようという物語なのか。。。とか考えていると、自分自身の今の生きかたと何が違うのかと思ったりも。
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