『「日本スゴイ」のディストピア 戦時下自画自賛の系譜』(青弓社)

honnohon

11/8に読んだ本。
『「日本スゴイ」のディストピア 戦時下自画自賛の系譜』
早川タダノリ。青弓社。2016

ここ十数年の間に急増した「日本スゴイ」本。
その原型を、1925〜1945頃に出版された日本主義ブームの中で次々と発行された「日本スゴイ」本に窺うのが本書。
11-08 18:19

第1章では、満州事変後の日本精神本ブームの中で出版された本を読む。
国難→危機を煽り愛国心に訴え祖国への献身を要求→日本人の誇りによる鼓舞、という流れを作った、雑誌日の出編集部による「世界に輝く 日本の偉さはこゞだ」。
日本人は米を食べるから粘り強いという「日本人の偉さの研究」…
11-08 18:25

第2章では、日本スゴイと教育の関係を、「よい日本人」を作るために使われた副読本などから読む。
そこには、学校を国家や家族になぞらえながら、教師に従う生徒を作ろうという方針があからさまに示されている。
掃除、乾布摩擦、体育、学力全てが国への奉仕へ向けられていく。
11-08 18:30

第3章では、日本人の礼儀正しさというイメージを植え付け、それを目上への無条件の服従に作り変える様子を各書に見る。
学校では「礼法の実践」として、様々な儀礼が定められ子供達に叩き込まれた。
国民の生活に厳格な礼法を求める「国民礼法 産報版・男子用」は産業戦士へ服従を美徳と叩き込む。
11-08 18:37

第4章は、日本精神下における、勤労観がまとめられる。
工員は職場に斃れることを求められ(生産を止めないために自ら怪我をすることが美徳と書かれたり)、報酬や金銭を卑下し滅私奉公を求める労働者向けの本が登場する。
11-08 18:40

第5章は、そんな「日本スゴイ」が神がかった様子が書かれる。
そこでは精神論による戦争の勝利が書かれる…
読んでいて、当時の本のばかばかしさに笑いたくても、今現在の日本と比べた時、笑えないのが辛い。
11-08 18:42

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