『水洗トイレの産業史』(名古屋大学出版会)

10/31の週に読んだ本。
『水洗トイレの産業史 20世紀日本の見えざるイノベーション』
前田裕子。名古屋大学出版会。2008

水洗トイレの歴史を、日本における産業史という観点でまとめた本。

水洗トイレが人々の考え方を含めて大きなイノベーションをもたらしたということを説明する序章のスケールが大きい。

水洗トイレによって
第一のイノベーション:都市の衛生状態を改善し、人間の健康維持・生命に実質的な貢献をした
第二のイノベーション:清潔/不潔感を大きく変えた(不快な住環境を不潔として否定する)
第三のイノベーション:排泄行為への感覚を大きく変えた(排泄空間の快適さへの欲求と、排泄物や行為への忌避感)

日本において、江戸時代はし尿の農業への利用から排泄行為・排泄物が日常の風景で当然だったものに対し、水洗トイレの普及により忌避すべきものとなっていったという観点は納得できる。

と書きながら、本書の目的はあくまで日本のトイレ産業の成立と発展を記述することであり、水洗トイレ後発国である日本においてどのように産業化されてきたかを、企業史(TOTOを中心に、旧INAXなど他社にも触れる形で)とともに記述していく。

日本のトイレと言うと温水洗浄便座が着目されてしまうが、ここで取り上げられる衛生陶器・水洗金具などが前面にでることはあまりない(樹脂製の便器で多少注目された?今は陶器から樹脂化への過渡期なのだろうか、このまま陶器主体だろうか。。)。
豊富な資料によって水洗トイレの産業史を理解することができる(関連して窯業史なども概観できる)良書。。。

って、多分こういうことに多少なりとも興味もっていないと読まれない本。
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tag : 水洗トイレの産業史

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