『兵器と大学』(岩波ブックレット)

10/17の週に読んだ本。
『兵器と大学 なぜ軍事研究をしてはならないか』
池内了、小寺隆幸(編)。岩波ブックレット。2016

安倍政権の下で、軍事研究への大学研究者の参加が始まっている。
軍学共同の動きを進めようと、大学・学会の方針や運営を変更する安倍政権に対し、大学と市民はどう阻止するか、なぜ阻止すべきかをわかりやすくまとめたブックレット。

第1章 科学者のあり方
軍学共同への言い訳に対する反論。
・どんな研究も軍事・民生のデュアルユースであり、科学者は研究が軍事に使われることには関係ない
<-軍からの研究資金提供であればそれは軍事利用が明らか。また、研究の非公開と言う実利的影響と道義的責任を問われるということで関係ある。

・戦争は発明の母、軍事研究は科学・技術を発達させる
<-軍事資金に多額が使われたことによるものであり、元からその資金が民生利用研究に向けられていれば民生で生まれた

・自衛のための軍事研究は許される
<-自衛は自衛に止まることはできない。また、学問が時代に合わせる必要があるのかを考える必要がある

・研究費が必要
<-非公開の恐れ、より軍事面での活用を意識した研究などに傾く恐れが大きい

自分が市民のための科学研究を行っているか、を自らに問うことが必要である。

第2章 戦後、科学者は軍事研究とどう向き合ってきたか
・日本学術会議は、戦争目的の研究には従わない決意表明を1950年(および1967年)に行っている。しかし、安倍政権下で、日本学術学会のこの決議の無効化が進められている。

・日本物理学会も軍事への協力を行わないことを1967年に決議しているが、1995年の理事会で修正が行われている

第3章 防衛省の戦略
・2015年度から始めた「安全保障技術研究推進制度」により、大学等の研究機関へ防衛省が資金提供を行うことが開始された
・2016年度の応募件数が減ったのは、大学関係者などの反対運動や安全保障関連法への反対運動によるところが大きいと考えられる
・この戦略の背後には、国などが進める武器輸出の拡大や新自由主義的経済成長への要求がある

第4章 大学改革にまとわりつく軍学共同
・軍学共同の背景には、それ以前にすすめられた大学改革プランによる研究交付金への国の関与拡大がある
・経済的(研究費)格差は、いずれ研究者版の経済的徴兵制につながる可能性がある

第5章 米・「軍産複合体」と科学者
第6章 独・軍学共同反対の運動
アメリカとドイツの軍学共同の動きとそれに対する反対運動

第7章 「軍民両用技術」という甘い罠

第8章 キャンパスから声をあげていく
各大学などでの軍学共同反対の動きの実例(琉球大学、新潟大学、滋賀県立大学、名古屋大学)
関連記事

テーマ : オススメの本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

tag : 兵器と大学

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

ホンの本好き

Author:ホンの本好き
読んだ本からオススメの本を、半分備忘録的に記録します~

最新記事
カテゴリ
最新コメント
FC2カウンター
検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる