『なぜトヨタは税金を払っていなかったのか?』(ビジネス社)

9/19の週に読んだ本。
『なぜトヨタは税金を払っていなかったのか』
大村大次郎。ビジネス社。2014

元国税調査官の著者が、日本の大企業の代表であるトヨタと日本の税制の問題点を示す。

序章では、トヨタが2009~2013の5年間に渡り法人税を払っていなかった事実と理由を示す。
2009年および2012,2013年は業績が黒字だったにもかかわらず、トヨタが法人税を払わずに済んだ理由は以下のとおり。

・赤字繰越制度(ただしこれが適用可能なのは2012年度のみ)
・外国子会社からの受取配当の益金不算入制度(2009年から導入されたこの制度が一番の抜け道だったと著者は考察する)

1章では、トヨタの法定実効税率と実際の税負担額を比べ、実際の税の支払いが少ないことからなんらかの抜け穴を使っていると考え、その手段を説明する。具体的には

・研究開発減税の利用
・エコカー補助金

がその手段として考えられる。
問題なのは、こういった制度が景気回復をもたらすわけでなく、トヨタに代表される一部大企業とその株主の利益にしかつながっていないことであり、さらには景気を悪化させる要因となっていることである。
また、こういった制度自体が献金等による政界への働きかけで、不当に歪められて導入された制度であると考えられることにある。

2章では、トヨタが行ってきた賃金の抑え込み、期間工に代表される派遣社員の使い捨てが、日本の「雇用」を壊したと考え、その検証を行う。
また、1章同様に労働者派遣法改正がトヨタなど大企業に有利な制度であることと、こういった非正規雇用が日本経済を縮小させていることを示す。

3章では、消費税がトヨタにとって有利な制度であることを、消費税導入による物品税廃止/法人税減税といった面と、消費税の戻し税による利益から考える。
ここでも、目先のトヨタの利益追求行動が、日本の景気を縮小させるものであることを示す。

4,5章ではこれまで述べてきたことをまとめ、大企業の短期的な利益追求行動と、それを支える政策・税制が、日本経済を縮小させるだけであり、結果として大企業自身の首を締めるであろうことを述べ、企業行動が変化することを訴える。
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