『愛国的無関心』

7/11の週に読んだ本。
『愛国的無関心 「見えない他者」と物語の暴力』
内藤千珠子。新曜社。2015

現代に見られる愛国的な風潮は、論理や複雑な議論により練り上げられた愛国主義・ナショナリズムではなく、シンプルでイメージとしてわかりやすい新しい愛国主義とも言える。

未来に希望がもてない現在の日本社会において、多くの人がもつ不愉快・不快な感触は、不快感のリセットと集団に身を委ねる安心感から、他者へのバッシングに結びつき、そのバッシングが今愛国的なナショナリズムに転じている。

著者は、この感情の表出のような愛国的空気が生まれてきた背景を、近代の日本が日本語の中に形成してきた無関心の回路に見る。
バッシングを行う側は、具体的な他者への関心を持たず、容易に入れ替わる任意の記号として攻撃対象を決める。そこには、他者へも、そして自分自身に対しても無関心しかない。そして、その無関心は知らないもの・見たくないものを避ける行為を許容する日本語の言説の形式によって拡大している。

ここから、近代日本の言説の様式を分析するために、検閲システムや伏字などが、どのように物語のなかで使われ、ジェンダー的あるいは政治的な意味を持っていたかを分析することが重要となる。
本書では、その分析を、様々な小説などへ行っていく。


容易に個人のなかで攻撃対象や信条が入れ替わることに不思議さを感じていましたが、本書を読んでいてなんとなく納得できたというか。。。

自分が無自覚であることに無自覚である限り、攻撃対象は誰でもよく、いつでも変わってしまう可能性がある。

ということなのかなと。
私自身がどうなのか、ちょっと怖い(無自覚を自覚できているとは言えない。。)。
関連記事

テーマ : オススメの本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

tag : 愛国的無関心

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

ホンの本好き

Author:ホンの本好き
読んだ本からオススメの本を、半分備忘録的に記録します~

最新記事
カテゴリ
最新コメント
FC2カウンター
検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる