『赤米のたどった道』

7/11の週に読んだ本。
『赤米(あかごめ)のたどった道 もうひとつの日本の米』
福嶋紀子。吉川弘文館。2016

かって日本で生活米として作られていた赤米。この赤米の歴史をたどりまとめたのが本書。

やせた土地でも強靭な生命力を持ち、陸稲であるため水の条件が悪い土地でも栽培でき、早稲米のため台風が到来する前に刈り取ることができる。さらに多収穫品種でもある。

いわゆる白米(通常米)とは違う品種とは認識されながら、荘園で作付け品種として普及した時代を持ち、江戸時代まで特に飢饉が発生しやすい地域でも好んで栽培されていた。

そんな理想的な米がなぜ現代ではほとんど栽培されなくなってしまったか。
赤米の弱点は、食味に劣ること。炊き増えがするが、腹持ちは悪く、粘りも弱い。
そんな赤米は、米が商品化され、年貢によって領主に納められ領主が換金する経済社会の中では、商品価値の劣るものとして領主側から敬遠されるものであった。

このため、江戸以降、生活のための米ではなく商品としての米の優劣のなかで、支配者側から赤米の作付けが抑えられ、生産が減少していったのだった。


本書にも書かれているが、日本=米=白米=水田の国、というイメージはあくまでごく最近作られてイメージに過ぎないという点が印象に残った。
食料が商品化することは、単に経済的な面だけでなく、社会(人々の生活)に影響を与えるということを実感できる本です。
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