『総力戦体制の正体』

6/20の週に読んだ本。
『総力戦体制の正体』
小林啓治。柏書房。2016

京都府木津村の「戦争出動者名簿」(西南の役から太平洋戦争に到るまでの、木津村から動員された個人の記録)に始まり、村の広報誌(木津村報)や行政文書を追いながら、地方がどう国家の軍事行政に組み込まれていったかを追う。

徴兵制における警察署の役割、動員された人からのニュースを記事として載せることで村として戦争(のためにがんばる)を広報していく姿勢、動員された家族を持つ家庭の苦境を公的な扶助でなく個人へ負担させていく流れ。

あるいは、様々な団体(地域の防災や、青年談などの組織、学校)などの軍事行政組み入れによって、戦争文化が進んでいく姿。

農村下の課題である地域経済の立て直しが、村全体の取り組みの中で「村中心」意識を養い、国家→地方行政を通じた動員(総力戦体制)へ繋がっていく過程。

こういった流れを、丹念に行政文書から追っていく。
こういった取り組みが今まで十分に行われたとは言えない背景として挙げられているのは、(特に太平洋戦争敗戦後に)行政文書が大量に廃棄されたという事実。

動員や戦争にどう地方行政(だけでなく個々人)が関わってきたのかが問われることのない、無責任の体系が生まれ。。。
それが今の日本の状況(いつ軍事行政への転換が始まるかわからない体制の構築)に繋がっているのかもしれない。


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