『本当の夜を探して』

5/30の週に読んだ本。
『本当の夜を探して ―都市の明かりは私たちから何を奪ったのか』
ポール・ボガード(著)、上原直子(訳)。白揚社。2016

ボートル・スケール。光害を危惧したアマチュア天文家、ボートル氏が提言した「夜空の明度を段階的に表すための光害基準」。

クラス9が最も明るい空(都心部の空)であり、そこからクラス8(都市部の空)、クラス7(郊外と都市部の境)・・・クラス3(田舎の空)、クラス2(真に空が暗い典型的な土地)、クラス1(光害が一切ない素晴らしい土地)と数字が下がるにつれ、暗闇へ近づく。

本書は、光害に汚染されている欧米を巡りながらクラス1の夜空を求めていく旅の記述であり、また、人間が産み出した光害が自然環境や人間自身へどういった影響を与えているのかを調査していく旅の記述である。

クラス9、ラスベガスの都心から始まる旅は、クラス8ロンドンなどを経て、章とともに数字を下げていく(だからこの本は9章から始まる!)。

7章では夜道の安全が今のように強い明かりではかえって保障されず、照明を穏やかにしてコントラストを下げる方がもっと夜の安全を保障できることが示される(しかし、この考えは受け入れられにくい)。

6章での人間への光害の影響、5章での自然への影響を踏まえながら、人間にとって夜や暗闇がどんな意味を持っていたかを考える4章、夜空を保護するための取り組みを書く3章と、徐々に静かな内容に移っていく。。。
5年前、東日本大震災から半年程度でしょうか。
東京始め東日本は計画停電の話もあり、駅なども含めて照明は落とし気味でやや暗く。
でも、その落ち着いた明かりは、なんとなく街の人の気持ちを穏やかにしていたような気もします。
いつの間にか東京は煌々とした街に戻っていて、その代わりに被災地のことも地震があったことも忘れられたような。
本書の中で安全と照明の関係も書かれていましたが、ほんとにこんなギラギラした明るさが必要なのかな、と思います。

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