『データ分析の力』(光文社新書)

伊藤公一郎 『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』 。光文社新書。2017

データ分析方法の考え方を、数式などは使わずに示すためわかりやすい。

データ分析を行うためには、本来はランダム化比較試験(RCT)が望ましい。
しかし、実際には倫理的・法的・費用的など様々な理由から行うことができないことが多い。
このため、著者が紹介するのが

・境界線を使ってデータ分析を行う「RDデザイン」
・階段状の変化を使ってデータ分析を行う「集積分析」
・複数期間のデータを生かして行う「パネル・データ分析」

これらの方法を使っての具体的な分析事例なども紹介される。

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『決断力にみるリスクマネジメント』(ミネルヴァ書房)

リスクは事後対応から事前対応へ。リスクに対する企業の対応が、その企業の運命を左右する。

亀井克之『決断力にみるリスクマネジメント』。ミネルヴァ書房。2017

リスクマネジメントの基本的な考えを説明し、数多くの事例からリスク対応への成功・失敗を決める要因を探る。
実例がごく最近の事件までとらえ、また製品事故や社員の不祥事、天災対応など幅広いケースが紹介されており、参考になる。

リスクは以下の2種類
1.純粋リスク-マイナス影響のみのリスク。守る・防ぐ・保険などでリスクに対応
2.投機的リスク-マイナス影響かプラス影響かどちらかを招く(ビジネスチャンスなど)。リスクをとる対応

リスクマネジメントは
①リスクの特定(人・モノとそれぞれに対するリスク、事故による損失内容)
②リスクの想定(リスクがどの程度見込まれるかを発生頻度と影響度から考える)
③リスク対応策の決定(リスクコントロールとリスクファイナンス)

具体的な例としては
リスクマネジメントに成功した例
・ジョンソン・エンド・ジョンソン社のタイレノール事件
・日産自動車の再建
・サンスターの健康道場の取り組み

リスクマネジメントに失敗した例
・雪印の集団食中毒事件
・東芝の不正会計問題
そのほか多数

などが挙げられている

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『IT技術者の能力限界の研究』(日本評論社)

日本のIT技術者において(年齢による)能力限界がどう意識されているか/されていないかの学術研究。

吉田克利『IT技術者の能力限界の研究 ケイパビリティ・ビリーフの観点から』。日本評論社。2017

かって(?)流行った「IT技術者35歳定年説」や、日本に特有的なIT技術者は40歳前後で能力限界が訪れるという意識。
本書は、IT技術者の高齢化が進む中で、こういった説がIT産業の競争力を低下させる恐れもあると考え、

・IT技術者の年齢が、本人の能力限界感に影響を及ぼすのか
・上司のサポートや職場環境が、本人の能力限界感に影響を与えるのか
・IT産業構造の特色(下請け構造など)が、本人の能力限界感に影響を与えるのか

を、能力発揮に対する限界感/効力感の2側面から、約4500名のインターネット調査データを分析する研究である。

本書ではいくつかの仮説を立てて、データより検証していくが、主な結果として以下が挙げられている。

・年齢による能力限界感は加齢と共に高まる、一方で効力感は40-50歳でいったん停滞するがその後上昇し続ける。
 中高年技術者への周囲の仕事の与え方・期待と、中高年技術者の発揮できる能力にギャップがあるのではないか。

・上司サポートや職場環境は、限界感を抑制し、効力感を促進する要因が見られる。
 労働者の動機付け要因として、上司サポートと革新的職場風土などが技術者の人材マネジメント施策に役立つであろう。

・産業構造による限界感は、下請け企業の技術者において、自律性の少なさや多忙感により高く見られた。
 専門的能力(上流工程の仕事)が可能かどうかによるものと考えられる。

<感想>
私自身も中高年IT技術者であり、以前いた職場や今の職場で、中高年技術者が、求められる仕事のギャップにより効力感が低くなるという指摘には、確かにと思うところがあった。
特に一般企業では、IT部門の技術者であっても、総合職に対しゼネラル人材を志向してきたところから、専門職としての能力の発揮をしても評価されない、という部分が大きい気がする。
こういった研究が、いずれ社会や企業の教育・人材評価につながると、中高年技術者(だけでなくIT技術者、あるいはもう少し幅広く専門技能を持った研究者など)の能力が、もっと発揮されると思う。。。が、企業の人事部門とか、こういう本は読まないだろうなぁ

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tag : IT技術者の能力限界の研究

『ロボットアニメビジネス進化論』(光文社新書)

8月に読んだ本
五十嵐浩司『ロボットアニメビジネス進化論』。光文社新書。2017。


honnohon

アニメやホビー関連のフリー編集者である著者が、
1.アニメとビジネスの結びつきが生育した時代を生きてきた自らの記憶を記し
2.専門として聞き留めてきた関係者の話を残し
3.日本のこの分野を俯瞰するために
書いた本
08-28 08:17


日本のアニメは、その黎明期から1960年代終わりまでは食品業界と結びついていた(鉄腕アトムー明治製菓、鉄人28号ー江崎グリコ、エイトマンー丸美屋)。
1970年代に入り、アニメは玩具メーカーのマーチャンダイジングと結びつき、両者の協同によりアニメと玩具が市場へ流れ込んだ。
08-28 08:20


序章。1972年のガッチャマンとマジンガーZの放映が、日本のロボットアニメの発展を考える上で、
・合体メカニック
・メカ描写
・出動シークエンス
・新兵器登場
を、印象的に、大規模に取り込んだ点で、著者は重要と考える。
また、玩具展開やメディアミクスの嚆矢でもある。
08-28 08:25


第1章。マジンガーZのマーチャンダイジングとして、日本最初のキャラクター玩具専業メーカー、ポピーの活躍がある。
わずか7名で始まったポピーは、大型のジャンボマシンダーの発売、そして超合金と名付けたダイキャスト製の重量感あふれる玩具でトップメーカーへ駆け上った。
08-28 08:30


第2章。ポピーの超合金は、重量感から、変形・合体など遊び方を前面に出すようになる(勇者ライディーン、コン・バトラーⅤ)。
一方、他社は球体マグネットを間接部分に使うタカラのマグネロボットや、ブルマァク社の合体玩具の販売など特色を出しながらキャラクター玩具市場へ参入した。
08-28 08:35


第3章。子供目線からおもちゃとしての魅力をキャラクターのプラモデルに出してきたバンダイ模型だが、ロボットブームの収束により、新たな市場開拓が必要となった。
そこで、宇宙戦艦ヤマトのプラモデルに、アニメファンをターゲットとするシリーズを展開し、コレクション性なども取り入れ販売した。
08-28 08:39


第4章。新しい市場としてガンダムが取り上げられる。
バンダイ模型では、スケールモデルの本格展開を取り入れたガンプラを販売した。
また、講談社が映画とホビー誌、出発により大がかりな展開を行うことで、ガンダムは一般にも広く流行するコンテンツとなった。
08-28 08:43


第5章。ガンプラはキャラクター玩具の常識を超え、そこに市場としての魅力を感じた同業他社が模型市場へ参入をした。
アオシマは日本サンライズとイデオンで、タカラは緻密なマーケティングを行いダグラムシリーズでそれぞれバンダイを猛追。
バンダイはハイクオリティ路線をとったが伸び悩んだ。
08-28 09:00


バンダイの低迷の裏には、今までと異なる企業連合をとったマクロスシリーズへのメーカー参入があった。番組放映開始前からの商品販売、怒涛のシリーズ発売による売り場占拠など、マクロス一色という状況を計算して作り上げた戦略により、ここにロボットアニメのピークが生まれた。
08-28 09:06


第6章。ロボットアニメとは別に、タカラが1970年代からタカラは変形、合体キャラクター玩具路線を継続していた(変身サイボーグ、ミクロマン、リアル&ロボなど)。このシリーズが提携した大手玩具メーカー、ハズブロは、トランスフォーマーと名付けアメリカ市場で販売。大ヒットとなる。
08-28 09:10


第7章。1990年代になり、80年代から始まったディフォルメキャラクター市場が活発化し、メーカーもそこに力を注ぐ。
そこには、テレビゲームとディフォルメロボットの親和性もあった。ロボットアニメはリアルからヒーロー化し、また玩具以外(映像ソフト)へマーチャンダイジングが進められた
08-28 09:13


第8章。現在、大人向けハイエンドモデルのロボット商品が、企業をはじめとして売られている。
08-28 09:16

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tag : ロボットアニメビジネス進化論

『見えない産業 酸素が支えた日本の工業化』(名古屋大学出版会)

酸素製造業・メーカーの黎明期から現在までを追う学術書。

沢井実『見えない産業 酸素が支えた日本の工業化』。名古屋大学出版会。2017


第1章
酸素の製造装置の能力差、規模差がない時代では、製造装置を一基持てば、酸素製造コストの決定的差がないため、立地条件など他の優位があれば新規参入が可能であった。
これが、後の価格競争とそこからのカルテル化を生み出す。

第2章
過当競争とカルテル化を1930年代の大阪における企業参入と連携に見る。
また、その中で溶材商がエンドユーザーへの運搬において成長した。

第3章、第4章
戦時下において、酸素製造装置の国産化や酸素容器の国産化が急速に進んだ。また、外資系企業である帝国酸素は軍の介入により強制的に日本化が行われた。企業はカルテル組織は解体されため、軍と国の需要に頼り、一部は戦地での工場経営も行なった。

第5章、第6章
酸素を使う側の溶接・切断機との関連。
戦前のトップ酸素メーカーである2社は、同時に溶接・切断機供給を行なっていた。
また、電気溶接技術も1930年代以降、急速な成長を遂げた。

第7章
戦後、酸素製造技術が革新したことにより、製造コストに大きな差を生み、トップ2社と技術革新に成功した数社が大企業となり、他社は酸素を仕入れるという産業構造の大きな変化に繋がった。

第8章
溶接工法の変化は、アーク溶接機の普及につながり、造船業を始めとする各種産業の技術革新にも繋がった。また、溶接機も変化を遂げ、抵抗溶接機への大手メーカーの進出が本格化した。

第9章
酸素メーカーの溶材商化の一方、溶接機メーカーによる販売系列化も進んだ。

第10章、終章
1993年から業界再編が進む中で、酸素メーカーは3社に集約されていったが、寡占化によるカルテル問題も発生した。
海外企業への買収やなども積極的に勧められている。

1章と7章で、製造コストの差の有無(それを生み出す技術革新の有無)が、新規参入企業の成長を左右するという歴史を読むことができ興味深かった。

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tag : 見えない産業

8月に読んだ本(ビジネス関係4冊)

8月に読んだ本、ビジネス関係を4冊。
仕事のやる気がなくなって、少し気分を揚げるためにビジネス書を読んだ感じ。効果は。。

馬田隆明『逆説のスタートアップ思考』中公新書ラクレ。2017。

短期間で急速に成長する組織体、「スタートアップ」。
本書は、Microsoftでプロダクトマネージャーやテクニカルエバンジェリストを経て、現在は東大にてスタートアップ支援活動に従事する著者が、スタートアップの思考法の入門書として書いたもの。

アイデアー反直感的、不合理に思えるようなものがスタートアップに向いている
戦略ー小さな市場、急成長する市場を狙う
プロダクトー少数からの愛を求める

といった逆説的にみえる思考法がスタートアップでは必要ということを書く。

池本克之『年収ののびしろは、休日の過ごし方で決まる ズバ抜けて稼ぐ力をつける戦略的オフタイムのコツ34』。朝日新聞出版。2015。

ドクターシーラボやネットプライスなどの社長を歴任した著者による、オンオフを一体とし、オフタイムの充実することが自らの成長速度を何倍にもすることを示す。

・ストレスを活かすためのコツ(あえて遊びに持ち込む、思考のクセをつける等)
・遊びに真剣になる(休日、趣味を最優先にし計画的に短時間で最大のパフォーマンスを得られるようにする)
・未知を楽しむ
・服装などを整える

などについて、具体的な方法が示される

佐藤優『人に強くなる極意』。青春出版社。2013

怒らない、びびらない、飾らない、侮らない、断らない、お金に振り回されない、あきらめない、先送りしない、をテーマに著者がこれからの世界を生き抜くための考えを書く。

酒巻久『朝イチでメールは読むな! 仕事ができる人に変わる41の習慣』朝日新聞出版。2010

キャノン電子社長による、仕事習慣を変えるための本

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『誰が音楽をタダにした?』(早川書房)

日本では楽曲使用をめぐってのニュースが最近多いですが。。。
それはさておき、インターネットを通じてどうして音楽をタダで手に入れられるようになったのかが、まるで小説のようにワクワクして読めるノンフィクションが本書。
3つの集団とそして彼らをつなぐmp3が音楽業界を変えた。

スティーヴン・ウィット (著)、関 美和 (訳)『誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち』。早川書房。 2016。

邦題よりも、原題の「HOW MUSIC GOT FREE」の方が内容をよく表しているかもしれない。
「誰が」も重要であるが、本書の登場人物たちをつなぐ1つの重要な技術が本当の主人公であり、HOWの部分の重要な要素かもしれない。
それが音声などの音響データの圧縮技術「mp3」。

本書で登場する集団の1つは、mp3の生みの親であるカールハイツ・ブランデンブルクと彼を支える技術者の集団。
音響心理学者ツビッカー、ザイツァーに連なる系譜として音響に関しての研究を行ってきたブランデンブルクは、人間の耳の不完全さを利用した音響データの圧縮技術を考案する。
彼の技術を実用化するためには、素晴らしい耳(音に対しての聞き分け力)をもつプログラマー、グリルや開発を資金的に支える会社のライセンス責任者リンデらの協力が必要だった。
しかし、mp3は技術力ではなく政治力により、音響データの圧縮技術として公的な採用からは無視され続けたり隅に追いやられていた。

そんなmp3の高い圧縮能力に目をつけ、積極的に使っていったのがもう1つの集団、世界中に存在し、しかし、どこにいるかはわからない音楽の海賊版を作る集団であった。
彼らは本名でのやり取りは行わず、また直接会うこともほとんどない。
そんな中で、本書では主に音源を手に入れために活躍(といって言いのだろうか?)した1人の音楽会社のCD工場の労働者、デル・グローバーを中心に、その実態を書く。
誰かが音源を手に入れ、誰かがそれをコピー・公開し、誰かがそれを聴く。
それを支えたのがmp3の高い圧縮能力と品質であった。

一方、音楽業界は不法コピーによる業績不振を深刻に捉え、不法コピーを撲滅しようとし、また自らのビジネスモデルを変えていった。本書が取り上げるのはテクノロジーのことは知らないと公言するダグ・モリス。
新しいビジネスモデルでは、やはりmp3など音楽の圧縮技術が必須となった。

1990年代から2000年代にかけて、音楽がタダで共用されていく過程を興味深く読むことができる一冊。
訳者あとがきによれば映画化も決まっているらしく気になるところ。

mp3の特許権が2017年春に消失した(https://www.iis.fraunhofer.de/en/ff/amm/prod/audiocodec/audiocodecs/mp3.html)が、これが

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tag : 誰が音楽をタダにした?

『ワーク・ルールズ!』(東洋経済新報社)

Googleの社風と人事制度を知るだけでなく、それぞれの会社へ活かしてもらうべく、Googleの人事担当トップが惜しげもなくGoogleの社風や人事制度を書く。

ラズロ・ボロック『ワーク・ルールズ! 君の生き方とリーダーシップを変える』。東洋経済新報社。2015。

Googleの人事部門のトップが、同社のユニークな社風、社員に対する考え方を、彼なりの解釈で語る。

Googleにおける人事の成功は、大企業だからできるということもある。しかし、大半の素晴らしさを生み出す要因は、Googleで行われていることを真似るかどうかであり、費用もかからないことが多い。

紹介される同社のルールは以下のようなものである。

・自分を創業者とみなし、創業者のように行動する
・自分の仕事を重要な天職と考える

・社員には安心して与えられるよりやや大きい責任、自由、権威を与える

・人事予算の第一は採用に投資し、時間をかけて最高の人材、自分自身より優れた人材だけを雇う
・自分が求めるものを徹底的に具体化することでわ最高の人材を紹介してもらう
・採用候補者に求める基準を高くし、面接者の主観によらず客観的に評価する

・ステータスシンボルを廃止する
・マネージャーの意見でなく、データに基づいて意思決定する
・業績評価は、正しい目標設定、同僚のフィードバック、複数の管理者による評価による

・困っている人に手を差し伸べ、最高の社員の観察からチェックリストを作る
・熟練した練習-分割し明快なフィードバックの元繰り返し学習を行う
・トレーニングを受けた人の行動が変わるプログラムに投資する

・社内の摩擦を恐れず不公平な報酬を払うが、褒めるのは実績について
・熟慮した上での失敗に報いる

・社員の生活負担を減らす
・小さな実験を数多く行い、きっかけから社員を健康や幸福に導く

・失敗に直面した時は、隠さず、助言を求め、間違いから教訓を学ぶ

決して大企業だからできたということではなく、費用よりもむしろ実際にやるかどうか、その重要性が示されていると思いながら読んだ。

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『レジリエンス ビルディング』(英治出版)

7月に読んだ本。

ピースマインド・イープ株式会社『レジリエンス ビルディング 「変化に強い」人と組織のつくり方』。英治出版。2014

変化に強い社員と組織、それは打たれ強さや折れないではなく、しなやかな「回復力」=レジリエンスを持つことで初めて実現可能となる。本書は、そんなレジリエンスをどう組織に浸透させ、働く人に習得させるかを概観する。

レジリエンス研究は、不安定な家庭に生まれた子供達の成長において、
・適応能力のある大人とポジティブな関係を持つ
・学ぶ力があり、問題解決能力がある
・人との絆を持てる
・自他共に認める能力や自信を持てる部分がある
子どもは幸せな成長を果たしているという心理学研究から始まった。ここで、回復力について考察されるようになった。

その後、ポジティブ心理学や物質工学におけるレジリエンス・エンジニアリング(何かが起きた時の反応、状況モニター、将来の予測、過去からの学習)、生態学的レジリエンス(安定領域内での生態系撹乱から戻る力)などから、「レジリエンス」という考え方が広まっていった。

レジリエンスはトレーニングによって習得できる部分もあり、その要素として次の6つがある。
1.信念
2.人間関係
3.考え方
4.専念する力
5.自己コントロール
6.良い習慣
個人のこれらの要素のバランスを計測し、弱い部分をコーチングなどで変化させていくことができる。

組織のレジリエンスを高めるには、組織全体としてステップを追って進めることが重要であり、例えば以下のような導入ステップがある。
1.体制づくり-トップのコミットメントと専任者(チーム)の設定
2.指標を決める-ストレス、モチベーション、ハラスメント
3.調査とフィードバックの仕組みを導入-平均と比べての指標の数値は即時フィードバック
4.調査結果の分析と課題の優先順位を決める-組織として必要な課題を、モチベーションへの影響度と平均値との差から検討
5.アクションプランを立てる-現場を巻き込む
6.レジリエンスの訓練をする
7.PDCAを回す-年次などで継続的に調査、分析、アクションプラン立案・実施を行う

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tag : レジリエンス ビルディング

『トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術』(サンマーク出版)

7月に読んだ本。資料作成が長くなりがちなので、もう少し簡潔にしたいと思い。

浅田すぐる『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術。サンマーク出版。2015。

トヨタで活躍した後、伝わるカイゼン「1枚」ワークスとして独立し、業務改善コンサルタントとなった著者による、伝えたいことを伝わるようにできる文書の作り方指南。

chapter1では、トヨタで行われている「紙1枚」の書類の特徴(一覧性、枠、枠ごとのテーマ)と、なぜそれだけで機能するかがまとめられている。

紙1枚にすることで、自分の頭の中が見える化され、それにより相手に伝わり易くなる。
それを支えるのが、フレームとテーマにより、ここに何が書かれているかが一目瞭然となり、抜けている部分を埋めたいという意識を芽生えさせ、解決策の策定に繋がる。

「紙1枚」は仕事の型を与えるものでもあり、そこには
①目的 ②現状 ③課題 ④対策 ⑤スケジュール
の5つが書かれている。

著者は、ここからさらに著者オリジナルの「1枚」として、

タイトル、日付、氏名
①背景or前提or目的
②現状or概要
③課題
④対策
⑤スケジュール

を作り、全て(報告、企画、分析)をこのフォームで説明することで、自分と周囲の効率化を実現した。

chapter2では、「紙1枚」を作るための技術をまとめる。「紙1枚」を作る作業は以下3つのステップからなる。

①整理 考えのベースとなる情報を書類に整理
②まとめる 自分なりの①を書類にまとめる
③伝える 書類の内容を誰かに伝える

これらを具体的に行うには、やりたいことに含まれる動詞を動作に変換することで容易に実践できる。

ツールとして、著者は「エクセル1」と名付けた「紙1枚」を使う。

(0)読み手と目的を明確にする(それがわからなかったらそこにも「エクセル1」)

(1)フレームを書く
・紙に緑色でフレーム(8,16,32などの分割線)を書く
・左上に日付とテーマを緑色で書く

(2)キーワードで埋める
・テーマに対して思いついた答えを青色で書く。1フレームに1つ
・書き出す時間は8フレームなら1分を目安。時間制限で目前の作業に集中する。全部書けなかっならまたやればよい

(3)キーワードに対して、テーマを投げかけて、赤ペンで印(○×△)や考えたことを書く

(4)報告を想定し、相手が聞きそうな質問は?をテーマに再び「エクセル1」。あらたな質問や疑問ができたらそのキーワードに対してさらに「エクセル1」

(5)相手が知りたい質問に対して、「ひとことで言うと?」で、一番適切と思うキーワードに赤マル(最大3つ)

(6)ここまででできた「エクセル1」を元に、自分の「紙1枚」にまとめる

(7)説明の時は、指差し、構造フレーズを活用する

chapter3では、応用編として伝える方法について著者の考えた「ロジック3」が紹介される。

ひとことで言うと?1P
相手が聞いてきそうな質問Q1〜3
それぞれに対する答え

から成る「紙1枚」で、Q1〜3は、what/why/how を使うと、相手が知りたいことに近づきやすい。

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tag : トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術

『新米主任 ITIL使ってチーム改善します!』(シーアンドアール研究所)

7月に読んだ本。

沢渡あまね『新米主任 ITIL使ってチーム改善します!』。シーアンドアール研究所。2015

シリーズもので、前著では新人だった主人公が、主任に昇格し、成績が芳しくない部署の改善を任せられる。

前回学んだITの運用管理の基準でもある「ITIL」のなかで、

・サービスレベル管理
・インシデント管理
・問題管理
・ナレッジ管理

の4つのプロセスを中心として、改善を行うが、空回りをする部分もあり、改善効果が出始めたところで深刻なチーム内の亀裂や問題が生じ。。。

というストーリー。IT運用管理プロセスであるITILの考えを利用しながらも、実際には業務改善への活用であり、システム的な要素は脇役でしか出てこないが、だからこそ「考え方」「管理の方法」の重要さを学ぶことができる。

前作ではあまりストーリー自体は興味はなかったが、今回はストーリー的にも少しドキドキしながら読むことができた。

前作はこちらで、ITILの全般についてと、その業務改善への活用の考え方を学ぶことができる。
沢渡あまね『新人ガール ITIL使って業務プロセス改善します!』。シーアンドアール研究所。2015

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tag : 新米主任 ITIL使ってチーム改善します!

7月に読んだ本(時間管理関係で2冊)

7月は自分の仕事の仕方の見直し月間とすべく、時間管理関係をさらに2冊。

メルリ・E・ダグラス、ドナ・N・ダグラス。『「ダラダラ癖」から抜け出すための10の法則』。日経ビジネス人文庫。2017

文庫が出ていましたが、実際に読んだのは単行本。
10の法則というよりは10の章。

・大目標を書き、やるべきことをやり(やらなくていいことはしない)、自分が時間をコントロールできると信じる

・一番必要なことからやる(今やろうとしていることは一番必要なことかを常に問う)。自分が過去/現在/未来のどこに焦点をあてがちかを把握する

・自分の特定の仕事は特定の場所で行うことで効率を高める、期限を前にしてその期限を必ず守るようにする、自分の時間の使い方を確認し、目標-優先事項を決め、計画を立て、進行度合いをチェックする

・自分や他者の1時間当たりの金銭的価値を把握する。時間日誌を着け、邪魔となる要素を見つけつぶし、やっていることとやるべきことの差をチェックし修正する。緊急ではなく、重要なことを行う。

・具体的、実現可能、測定できる目標を、期限を設けて立てる。嫌いな仕事から行う

・週間計画を立てる、当日のリストを前日につくる

・予定を書いて貼る、同じ作業は同じ時間、定期的に考える、待ち時間を活用、無駄な行動を断る、静かな時間(コアタイム)、優先順位を明確に

・時間浪費の原因を見極めて除去する

・苦手仕事から行う。難しい仕事は10分でできる単位で分割、まずやる

・改めて自分が時間をコントロールできると考える


小山 龍介。『TIME HACKS! 劇的に生産性を上げる「時間管理」のコツと習慣』。(講談社+α文庫。2012


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『仕事日記をつけよう』(WAVE出版)

7月に読んだ本。自分の仕事の進め方が最近どうもうまく言ってないと思うところがあり、こちらの本を見かけて読んでみました。

海保博之。『仕事日記をつけよう』。WAVE出版。2012。

仕事の様々な悩みを解決する手段として、心理学者である著者が提案する方法は

「仕事日記」を「つける」こと
そして、(つけた仕事日記を)ときどき「見直す」こと

一行でよいから仕事前にきになることを書き、こまめに見直すことを1ヶ月続けてみる。それだけで、仕事の様々な悩みが変わると書く。

仕事日記は「自分自身とのコミュニケーション」であり、「自分」を管理できるようになるための方法。

仕事がうまくいかないのは
・自分の仕事のダメパターンを「外」にだけ求めているから
・自分自身をモニタリング(観察)、コントロール(管理)するコビトさん=「メタ認知」が未成熟だから

「仕事日記」は
・自分の「内」にあるダメパターンを、自分自身に気がつかせてくれる
・予想と実際の差を少なくし、メタ認知を向上させる
・「仕事日記」は、メタ認知を向上させる「内省」と「反省」の習慣を、「仕事日記」を書くことと見直すことで身につけさせる

「仕事日記」の書き方は
・最初のページに目標、理想、願いなどを書く
・ルールはないが、必ず本音を書く。そのために絶対他人に見せない
・毎日書く(忙しい時ほど書く。書くことで頭が整理され仕事の効率が上がる)
・仕事を始める前の、同じ場所同じ時間に書く=習慣化、前日の振り返りと今日の見通しができる
・内容はなんでもよい(感情を書く、目標と関連付けて書く、などが内容に迷った時のポイント)
・ノートに書けば問題解決に、pcなら思考と検索に役立つ
・こまめに読み直す(少なくとも毎日目標と前日分)
・ダメパターン別では
 -仕事が遅れる人は、いつ何に何分かかってやったかの時間記録
 -やることがいっぱいの人は、やることをできるだけ細かく書き出す
 -ミスが続く人は、言い訳をとにかく書いてみる
 -落ち込みやすい人は、幸せになれた時のことを書く

書くことで自分自身に起きることは
・ワーキングメモリの解放→頭が目の前の作業に集中しやすくなる
・思考を外化できる例えば、今現在/未来/過去を意識して書くとそれぞれの見方で整理できる
・手を動かすと連想が起きる
・目標を自分がどう考えているかが客観化できる
・自分の中の思い込みを意識することができる
・危険感受性がたかまり、スケジュール管理に役立つ

読み直すことで自分に起きることは
・自分自身との対話

「仕事日記」は、幸せな気持ちで仕事をできるようにするためのツールである。

・・・まずは明日からやってみる、ですね(とりあえずノート買ってきました)

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ジャンル : 本・雑誌

tag : 仕事日記をつけよう

『イシューからはじめよ』(英治出版)

6月に読んだ本。
課題解決にあたって、まず何を考え、どんな準備をしなくてはいけないか。
ここがなんとなく適当に、であるが故に様々なことが解決できない。
課題解決というが、そもそも「何に答えをだすべきなのか」が重要である。ということを強く示す本。

安宅和人。『イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」』。英治出版。2010

著者が一番書きたいことは、はじめに、に書かれている2つのことかもしれない。

・「何に答えをだすべきなのか」についてブレることなく活動に取り組むことがカギ

・悩む(答えが出ないことを前提に考えるフリをする)のではなく、考える(答えが出るという前提のもと建設的に考えを組み立てる)

本書は、主に1つめのポイントについて、考え方と方法を具体的に示す(考え方の部分が2つめのポイント、悩むことに時間を割かないにも繋がる)。

序章は、1つめのポイントについて、なぜこの考え方が必要かが示される。

生産性の高い仕事とは、「バリューのある仕事」であり、それは「イシュー度(自分のおかれた局面で決着のついていない問題=イシューに答えを出すことの必要性が高い)と「解の質」(イシューに対する明確な答え)」が共に高い仕事である。

どうしても、イシュー度が低い問題に対して大量の仕事をしてしまう(犬の道)が、そうではなく「イシュー度を上げる」(高い問題に絞る)ことこそが重要と著者は強調する。

イシュー度を上げるためのアプローチとして、
1.イシュードリブン(イシューの見極め)
2.仮説ドリブン①(イシューを解決可能なところまで小さく砕いていき、それに基づきストーリーの整理)
3.仮説ドリブン②(ストーリー検証に必要なアウトプットのイメージを描き、分析を設計)
4.アウトプットドリブン(ストーリーを踏まえつつ、段取りよく検証)
5.メッセージドリブン(論拠と構造を磨き、報告)
という流れで本書は進められる。

イシューの見極めとして、それがよいイシューかどうかは
①本質的な選択肢か(今答えを出す必要があるか)
②深い仮説があるか(常識を否定、新しい構造-共通性・関係性・グルーピング・ルール)
③答えを出せる
の3つの条件がある。

何がイシューかを見極めるために、一次情報に触れること、基本情報をざっと調べること(数字、問題意識、フレームワーク)、集めすぎないといったことが重要であるが、それでもイシューがわからないときは
・変数を削る
・視覚化する
・最終形からたどる
・So Whatを繰りかえす
・極端な事例を考える
といったアプローチを使うことで、見つけることができる。

2章以降は前述の仮説ドリブン以降の具体的なやり方が示される。

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tag : イシューからはじめよ

『ものづくりの数学のすすめ』(現代数学社)

5月に読んだ本。

松谷茂樹。『ものづくりの数学のすすめ 技術革新をリードする現代数学活用法』。現代数学社。 2017

企業等で働く技術者で「数学が必要かもしれない」と考えるものの、数学の教育を受けているわけではない人を想定して書かれた。
このため、私のように文系であっても比較的読みやすいし、ものづくり(あるいは企業活動)に数学がどう活かせそうかを考えるきっかけともなる。

著者が考える「ものづくりの数学」とは何かが第一部で書かれる。

ターゲット思考であり、さらなる技術革新をすすめるために必要な手段である「ものづくりの数学」。

これが今日本で必要となっている背景としては、日本人が拘り過去の成功を築く元となった「精緻性と高度な品質」「モノへの拘り」が時代の変化と合わなくなったことがある。
技術を誰でも手に入れられる「技術のコモディティ化」、システムとしての性能が重要さを増す「技術のシステム化」、過剰な品質保証を必要としない「製品ライフサイクルの短縮」という背景のなかで、従来の方向を転換することが求められており、そこに数学が役にたつと著者は考える。

「技術のコモディティ化」に対しては、技術を編集・システム化するために必要な開発効率化に数学モデルが役立つ。
「技術のシステム化」には、システムの範囲確定と抽象化においてマクロ/ミクロの視点を融合させる現代数学の考えが必要。
「製品ライフサイクルの短縮」には、IOTとビックデータからの数値化とそれを扱う数学的な考え方。

これらに対し、数学が具体的にどのように役立てられるかを考察するのが第二部であり、ここでは著者の企業経験なども書かれる。著者は自らの経験から次の6か条を現場の課題解決に数学を役立てるために挙げる。
1.黙し、傾聴
2.黙し、俯瞰
3.置石を踏むようなロードマップを用意。3ヶ月に1つはアウトプットを出す
4.problem builder
5.結果を共有
6.計算機シミュレーションを使いこなす

その上で数学モデルを構築するために、以下の7か条を挙げる。
1.フェルミ推定を利用
2.グラフ化
3.避けられない事実から目を背けない
4.特徴量の単位に着目
5.最も自然な言葉を捜す
6.オイラー、ガウスに倣う(高見に立ち、シンプルに)
7.線形項、リーディング項を掴む

第三部では、ものづくりの数学者となるための勉強法が説かれる。
理論技術者であるための6か条(仕事は7割、時間はない、ロードマップ、3種類の本、基礎・本質を固める、公式は忘れる)
異分野の研究理解のための7か条(初心者本、本は後ろから、言葉のシャワー、慣習に従う、フォークロアを克服、big problemに近づかない、easy-going)
そして現代数学の独学方法についてが最後に書かれる。

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tag : ものづくりの数学のすすめ

『最強のシンプル思考』(日経BP社)

4月に読んだ本。

ケン・シーガル 『最強のシンプル思考 最高の結果を出すためのたった一つのルール』。日経BP社。2017

『Think Simple』(NHK出版社)の著者が、世界で活躍する企業のリーダーとの交流の中で学んだ、シンプルを追及することを書く。
シンプルの追求をどのように実践するかが、Chapter10に、Chapter1~9で書かれてきたことがまとめられているのでそこから。

・シンプルを目指すことへの人々の参加(コミット)を求める-関わる人のコミットなしでは進められない

・会社の規模がそれなりなら、チームとしてシンプルに立ち向かう(誰となら厳しい状況でも一緒にやれるか?で選ぶ)

・会社としてのミッションを掲げる

・組織やプロセス、顧客の体験を客観的な視点で見て、聞いて、メモに書く
 -社員はミッションを理解し、それにしたがって動いているのか
 -プロセスが複雑すぎないか。プロセスに意志決定者が関わっているか(関わることによる時短)
  -上流はどうだったか、そもそもは何を目指していたか
  -合理化されているか
 -社員の勤続年数や月曜の朝は?
 
・シンプルへの、社員の参加を促す

・顧客視点から評価する
 -顧客の体験は一貫したメッセージに支えられているか
 -顧客体験を通じ、自分の会社に誇りを持てるか
 -会社が販売しているものはシンプルか、マーケティングは突き抜けているか、ウェブサイトにフローがあるか、モノのデザインは
 -顧客との接点を作り出しているか

・社内でシンプルかを担う人が重要となっているか、選択肢が多すぎないか
 
著者はこれらのシンプルによる企業価値の工場を、アップルを始めとする様々な分野(小売、製造、金融)などで実現している会社・リーダ-から抽出し、わかりやすく示している。

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tag : 最強のシンプル思考

3月に読んだ本(ビジネス系3冊)

3月に読んだ本で、仕事関係で3冊。うち2冊は人材的なところの話。。。まぁ、そういうことに少し悩むお年頃ってことですね。

井上雅夫『部下を酸化させない育て方 ワインづくりの心得を生かす』。実務教育出版。2016

半分エッセイ的に、ワインづくりと仕事での人材育成を関連付け、ヒントになることを示す。
著者はアメリカでワイナリーを経営し、ワインと部下を育ててきた。そのエッセンスが示されている。
部下の育成は醸造=終わりがないものであり、自分で育つのをゆっくり見守り続けることにある。しかし、単に見守るのではなく、取り扱いに注意し、酸化(個性がない、単調な働きぶり、雰囲気が暗くなる、人間性が薄くなる、鼻につく行動など)させないようにすることが重要。
そのためには、今の部下は仮の姿と考え、将来を期待し、期待を裏切られてもそのポテンシャルを見極め、期待を言葉でフィードバックしながら個性を活かしていくことが重要。時に追い込み(で?で?で?で部下を引き出す)、部下と勝負しながら熟成させていく。

内田和俊『「依存する人」を「変化を起こす人」にどう育てるか』。日本実業出版社。2006

部下あるいは自分が今どこにいるか(依存者、勝者、主体者、協働者)を把握し、正直な言葉や時には沈黙でコミュニケーションをとることで信頼関係を部下とつくる。
その上で
1、ゴールを先に設定(考える前に決める)
2、不純でも正直な目標設定
3、目標を伝える
4、リスペクト
5、背伸びした目標へ冒険しブレイクスルーを起こす
6、今ここに100%
7、変化に柔軟に対応
8、約束をまもる
9、リレーションシップ
10、決めたことをできるまでやる
といったことで部下を依存体質から脱却させる。
そうした中でチームワークの育成(何-問題解決にベクトルをあわせ、適度な緊張をもつ)をはかり成果を出す。

石井幹子『新・陰翳礼賛』。祥伝社。2008

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『マインドマップ資格試験勉強法』

honnohon

萩原京二、近藤哲生『マインドマップ資格試験勉強法』。ディスカバー21。2009。

マインドマップとNLPを資格試験の勉強に活かそうということで書かれた本。
第1章では、・不合格のデメリット・合格のメリット・合格の先の目的・合格のためにできることの4マップを描くことを示す
03-13 19:21

これらのマインドマップは、深層心理に、合格に対する強い動機づけを作るために役立つ。
03-13 19:22

第2章では、学び方を学ぶとして
1、入力のためのジグソーパズル勉強法、カンニング勉強法、リンキング勉強法
2、記憶のためのピンポイント勉強法、リピート勉強法、ティーチング勉強法
3、出力のための超スピード勉強法、リカバリー勉強法、記憶術をそれぞれ紹介する。
03-13 19:25

ジグソーパズル勉強法は全体構造把握のため、テキストの目次をマインドマップ化する。
カンニング勉強法は、解説を先に読むことで出題傾向をつかむ。
過去問とテキストを付き合わせるリンキング勉強法でなじみ感をつくる。
これらを行なった上で、出るが知らない部分を優先して過去問を解く。
03-13 19:28

ピンポイント勉強法は、学んだことの重要なところをマインドマップ化。
リピート勉強法は過去五年分を正しく正誤判定できるまで繰り返す。
ティーチング勉強法は、学んだことを教えるつもりで、概要ー事例ー根拠ー過去問で話す。
03-13 19:30

超スピード勉強法は、最後にテキストをザッと読む。
リカバリー勉強法は記憶が怪しいところだけをマインドマップ化。
記憶術については第3章で詳細が書かれる。
03-13 19:31

第3章では、繰り返し×インパクトが記憶なので、繰り返しの重要性と、五感をフルに使うことや理解による集中で記憶を高めることが書かれる。五感は、自分の得意分野を意識した方法が示される。
03-13 19:33

第4章は勉強のスケジュールの立て方について。
達成期限を決め、
数値化し、
紙に書く
という3ステップで説明される。
03-13 19:35

勉強法毎の日付設定、それぞれの中での進捗割合別のスケジュールを中間目標として立て、PDCAでチェックをする。
また、自分が勉強時間を確保する上で、無駄の洗い出しをマインドマップで行う。
03-13 19:40

第5章では自分が行いがちな逃避行動をマインドマップにし、必ず勉強する時間には勉強を開始し、音読・マインドマップ・ページめくりで準備運動的にやる気をだすことを提案する。
今日の勉強が終わったら素晴らしい、思い通りに終わった場面を思い描く、満足感を味わう、勉強でこの満足が強まると想像
03-13 19:43

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tag : マインドマップ資格試験勉強法

『ヤンキーの虎』(東洋経済新報社)

honnohon

藤野英人『ヤンキーの虎 新・ジモト経済の支配者たち』。東洋経済新報社。2016。

地方で成功する経営者たち。彼らは、リスクをとることをためらわず、貪欲にビジネスを広げている。
そんな彼らに興味を持ち、何が彼らの成功をもたらしたか、そしてその未来がどうなるかを分析した本。
03-11 05:50

著者は
「地方を本拠地にしていて、地方でミニコングロマリット化している、地方土着の企業。あるいは企業家」を「ヤンキーの虎」と呼び、衰退しつつある地方経済で、地銀や信用金庫の優良な融資先となり、また地方で珍しいリスクテイカーとして動き、地縁血縁を活かして活動を拡大していると見る。
03-11 05:50

ヤンキーの虎が生まれた背景として、
1、小泉革命で破壊された地方経済の中で多角化を考える企業家の出現
2、移動体通信の拡大期にそのビジネスで拡大
3、地方経済をそれまで支えた地元経営者の高齢化を踏み台
4、金融機関の融資先
5、彼ら自身の能力や特性
6、IT化
などがある。
03-11 05:51

ヤンキーの虎の実像としては、シンプルな原則、失敗したくないから情報にお金をかける、事業意欲・仲間意識・スポーティなどが特徴として挙げられる。
2章では、実例としてファーストグループ藤堂高明氏、丸和運輸機関和佐見勝氏が取り上げられ、地域密着と地域拡大、教育、などが書かれる
03-11 05:51

ヤンキーの虎の成功を著者の本業である投資家の視点から見ると、販売力の強さがある。人材は地縁血縁からまかない、地域密着を居場所ビジネスで実現し、本社コストを抑制、カリスマコンサルタントの支援を受けるなどがある。
03-11 05:52

しかし、地方経済の未来を考えると、2020年頃まではヤンキーの虎の拡大余地があるが、その後は急激な人口減少による消費減から、ヤンキーに虎同士の食い合いが始まると考えられる。
03-11 05:52

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tag : ヤンキーの虎

『サーキュラー・エコノミー』(日本経済新聞社)

honnohon

ピーター・レイシー、ヤコブ・ルトクヴィスト『サーキュラー・エコノミー』。日本経済新聞出版社。2016。

新たな付加価値、新たな成長の視点を、既存の資産を循環的に使い倒す経済モデルである「サーキュラー・エコノミー」に求め、その経済・ビジネスモデルを、理論的・具体的両面から示す。
03-10 06:43

サーキュラー・エコノミーの本質は、市場・顧客・天然資源の関係性を新しい視点から見直すことにある。
無駄を富に変えるこの経済モデルは、現在の一方通行型経済モデルがもたらす資源の枯渇や経済機会の損失への回答であり、本書はアクセンチュアによる新しいアプローチを示している。
03-10 06:48

第1部「サーキュラー・エコノミーの時代」では、現在の一方通行型経済モデルの崩壊が定量的に示される。
GDP成長率<コモディティ価格上昇率となった現在、企業のこれからの増益は見込みにくい。
この構造の背景には、
1、資源の希少性の増大による需要増への対応不可
2、再生可能資源の不足
03-10 06:53

3、プラネタリー・バウンダリーの浸食による生態系の危機とそこからの利益の減少
がある。
さらに、そこに一方通行型経済モデルのもたらす廃棄物の増大があり、資源価格の上昇が企業の収益を悪化させている。ここに、現在の経済モデルの限界があり、今後の世界的な人口増加には耐えられない。
03-10 06:57

第2部「サーキュラー・エコノミーの5つのビジネスモデル」では、サーキュラー型のビジネスモデルが、章ごとに実現している企業の例と共に書かれる。
1、サーキュラー型のサプライチェーン
自社または他社用に、再生を前提とした資源を供給するモデルである。これには相当な投資も必要となる。
03-10 07:04

2、回収とリサイクル
無駄として廃棄されていたものを、回収・加工し、リサイクル材料やリサイクルエネルギーとして使用するモデルが書かれる。このためには再利用しやすい設計、資源の品質維持などの課題がある。
03-10 07:07

3、製品寿命の延長
商品の量でなく機関から利益をもたらすことを目指す。修繕や再販、アップグレードやリフィルなどがあり、課題としては設計における長期の製品ライフサイクル、チャネル企業やフィールドサービスの役割の変化がある。
03-10 07:11

4、シェアリング・プラットフォーム
共同所有や共同利用による改善を図る。シェアリングによる利便性、低価格、高品質の提供が求められるが、課題として営利企業の関わり方やワーキングプアとの関係などが挙げられる。
03-10 07:14

5、サービスとしての製品
従量制やリース、パフォーマンス契約により、製品そのものでなく製品が生み出すサービスを提供しそこから利益を得ようとするものである。
03-10 07:16

第3部「サーキュラー・エコノミーの競争優位性「サーキュラー・アドバンテージ」を獲得する」では、第2部のビジネスモデルの導入方法を導入することで得られるアドバンテージを考察する。
ここに必要となるのが、革新的なテクノロジーであり、本書は10のテクノロジーを挙げる。
03-10 07:20

デジタル技術では、モバイル、M2M、クラウド、ソーシャルテクノロジー、ビックデータアナリティクスが、
エンジニアリング技術として、モジュラーデザイン、スマートリサイクル、ライフ&マテリアルサイエンスが挙げられる。
相互をまたがる技術として、トレース&リターン、3Dプリンタがある。
03-10 07:23

これらのテクノロジーを利用しながら、企業としての戦略転換を検討する上で、
・資源制約・顧客への価値・技術革新がどうかの明確化
・今のモデルの無駄(資源、ライフサイクル、キャパシティ、潜在価値)の明確化
・設計の課題解決(長寿命、再利用、再生などの考慮)
が必要となる。顧客との関係も変わる
03-10 21:27

サーキュラー・エコノミー実現には、企業の努力や変革だけでなく、政策的支援も必要となる。
03-10 21:28

第4部では「初めの一歩」として、経営陣が取り組むべき課題や考え方を示しながら、今始めることの重要性を説く。第5部では、さらに日本企業における新しい成長戦略として、このビジネスモデルを考察する。
03-10 21:31

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tag : サーキュラー・エコノミー

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読んだ本からオススメの本を、半分備忘録的に記録します~

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