『シングル女性の貧困』(明石書店)

小杉礼子 他(編著)『シングル女性の貧困 非正規職女性の仕事・暮らしと社会的支援』。明石書店。2017

シングル女性の貧困を、2015年に横浜で行われた大規模な調査(調査結果や詳細は4章)、個別ヒアリングから見えるシングル女性のライフヒストリー例、なぜシングル女性が貧困に陥りやすいかをさまざまな面から考察する研究概要などから広く深く考える。

シングル女性の貧困の背景や、貧困ループに陥りやすい背景としては
・1995年の経団連の提起した日本的雇用慣行の見直しの提言、1996年以降の派遣法改正などが労働者の非正規化を進めた。それが特に女性や若者において進められた
・一方で賃金体系は従来の日本的雇用慣行に基づき、年功的特質、夫が働き妻が専業主婦をベースとする社会保障などは非正規シングル女性を支援し得ない
・低賃金非正規就業は、女性にさまざまな格差のしわ寄せが行きやすい雇用であり、一旦貧困に陥るとそこから抜け出すことができない
といったものがある。

こうした中で求められているのは
・最低でも300万の年収を非正規であっても得ることができる給与
・社会や制度の改革(最低賃金、待遇改善、社会保障、介護等の偏り解消…)
・具体的なサポートプログラムの提供(教育、訓練や相談窓口)
・同じ立場の人のつながり
であることも調査から示される。

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『一揆の原理』(ちくま学芸文庫)

呉座勇一『一揆の原理 日本中世の一揆から現代のSNS まで』洋泉社。2012(ちくま学芸文庫、2016)

一揆は、決して特別な革命的反乱、暴動ではなかった。戦後歴史学の中で、あ階級闘争的な立場から意味付けられ、あるいは日本人が市民的な意識を持っていた証拠的に意味付けられたため、一揆のイメージは歪んだものとなったと著者は考える。
一揆はあくまで「人のつながり」の一形態であると考え、そこに見られる人の連隊に着目して一揆を捉えなおすのが本書。

本書では、まず歪められた一揆イメージを崩すべく、一揆観を正していく。

・一揆の最盛期は中世であった
・一揆は農民たちだけのものではなく、さまざまな人々が参加するものであり、中世では国人一揆、荘家の一揆、土一揆、一向一揆などさまざま形で生まれた
・中世の一揆では、一揆を支える非合理的な心性もあった(一味神水などの儀式)
・一揆は二人でも成立しうる
・一揆は強訴を主とし、武力的な蜂起の方が例外であった

読んでいくうちに、自分の頭の中にあった一揆の固定観念が揺らいでいくのが、わかる。

ただ、評価が難しいと思ったのが終わりの一揆をSNS 、東日本大震災以降に発生したデモなどと結びつけて考察した部分。
あれから数年後にはその雰囲気がほとんどなくなっているように思えることを考えると、なぜ現在では一揆が成立し得ないのか、が問題なのかもしれない。
(文庫版は読んでないので、もしかしたら文庫化に際してこの辺りが書いてあるのかも)

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『なかよし小鳩組』(集英社文庫)

始めから終わりまで結構笑いながら読んでいました。
が、後半というか最後のほうはテーマが変わってくるというか、最後になって、あぁこの小説はそのために書かれていくんだ、と気がつくというか。

荻原浩 『なかよし小鳩組』。集英社文庫。2003

毎月毎月、来月はなくなるかも。。。と半分本気で会話しているような零細企業のユニバーサル広告社。
そんな広告社に、CI(コーポレート・アイディンティティ、って一昔前に流行ったけど今はどうなんだろう)の大きな仕事が舞い込む。
喜び勇んでむかった事務所は。。。かわいらしい「小鳩」という名前とは裏腹にヤxxの事務所。
ユニバーサル広告社のコピーライター杉山は、仕事・私生活、様々に押し寄せてくるあれやこれやに立ち向かう。

5章後半から物語の向きが少しかわり、おやっと思うまもなくフィナーレへ。
笑いながら、このあたりはいろいろ思いつつ読める。

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『ウルトラセブン 宇宙人たちの地球侵略計画』(マイナビ出版)

ウルトラセブンがなぜ地球を守れたか、それは、なせ宇宙人たちが地球侵略に失敗したかの裏返しでもある。
本書は、宇宙人たちのために、彼らのそれぞれの侵略計画のどこに問題があり、どのような対策が考えられるかを分析する、地球侵略を検討している宇宙人たちのための本である。

中村宏治、一峰大二『ウルトラセブン 宇宙人たちの地球侵略計画 彼らはどうして失敗したのか』。マイコム出版。2017

前述のように、ウルトラセブンや地球防衛軍、地球人の働きによって失敗した数多の地球侵略計画を分析する。
各侵略計画に対して、おおよそ以下の点がまとめられる。
計画の概要、実施した宇宙人の特性、作戦の展開と顛末、考察、敗因、敗因からの対策

読んでいくと
・モロボシ・ダンは、その優しさゆえか、美少女に弱い->そこからピンチになる場面もしばしば
・宇宙人の計画の杜撰さやがまんの足りなさが問題になることもあるが、運の悪さもある
・東京もそうだが、静岡はよく侵略計画の舞台になる(これは概要に示される地図を見ての個人的な感想)
・・・
などがわかる

真面目に考えるもよし、読み流しながらこんなストーリーもあったなぁと懐かしむのもよし、細かいことをチェックするのもよし、な一冊。

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11月煮読んだ本(5冊)

読んだ本のメモになってしまいますが。。

慶應義塾大学教養研究センター(監)、大出敦(著) 『クリティカル・リーディング入門 人文系のための読書レッスン』。慶應義塾大学出版会。2015

主に、人文系の学生のために、物語や資料の読み方を、内容(事実関係、論理展開)や単語への疑いから発する問いを大切にし、どのように行うのがよいかを示す入門書。

波田野澄雄 『国家と歴史 戦後日本の歴史問題』中公新書。2011

戦後、日本政府がとってきた戦後の取り扱い、各国との交渉を概観できる。

野口悠紀雄『仮想通貨革命で働き方が変わる 「働き方改革」よりも大切なこと』。ダイヤモンド社。2017

働き方改革が従来産業をターゲットにしている限りは、効果は見込めない。
むしろ、フリーランスとしての働き方を可能にするIT技術に目を向けながら、人・企業がどういう方向に進むべきかを示す。

Emi 『デスクと気持ちの片づけで 見違える、わたしの仕事時間』。ワニブックス。2017


J.K.ガルブレイス『不平等――誰もが知っておくべきこと』。明石書店。2017

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『竹取物語』(新潮社)

たまたま竹取物語について会話の中に出てきて、
・そういえばきちんと読んだのはいつだったろう
・竹取物語と類似した話がチベットの昔話(←ただし、著者は少し検証が必要との考えも示す)にある
ということから興味を持ち、類似話(「竹姫(斑竹姑娘)」)も収録されているこちらの本を読んで見ました。

野口元大『竹取物語  (新潮日本古典集成 新装版)』。新潮社。2014


『竹取物語』自体をきちんと読んで
・思った以上に様々な話が入っている(解説に詳しいが、化生伝説、到富長者説話、求婚説話+求婚難題説話、昇天説話、地名起源説話)

・竹取物語の作者の、言葉遊び的な要素が多く見られ、それが求婚難題のそれぞれの挑戦の最後の言葉の由来的なところでおかしみを出している

・かぐや姫と周囲(特に翁)の人間的なやり取り部分がよく書かれている

・解説にみるようにかぐや姫が人間性を捨てなくてはいけない部分の描写
などが書かれた面白い話であると改めて思った。

また、「竹姫」との対比(求婚難題説話の部分は特に類似性が強い一方で、その前段階の違い-竹姫では圧政批判的な部分があるが、竹取物語ではその部分はないなど、後ろの違い-竹姫には昇天伝説はない、などが興味深く感じられた。

こういった古典、あるいは昔話として知ってはいるがきちんと読んだことがない作品を読んでみる面白さを知ることができた。

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『論文捏造』(中公新書ラクレ)

『女子高生アイドルは、なぜ東大生に知力で勝てたのか?』(http://honnohon.blog137.fc2.com/blog-entry-1909.html)の著者が、同番組の前に取り組んでいたドキュメントを書籍化したもの。
2000-2002年にかけて、アメリカのベル研究所にて研究する、ヤン・ヘンドリック・シェーンは、超伝導の研究で次々に大きな発見と成果を示し、立て続けに論文を発表し、天才的な科学者としてデビューした。しかし、それらの研究・論文が捏造によるものだと発覚。
なぜ、彼は捏造をし、そして、何がその捏造を許したのかを追う。

村松秀 『論文捏造』。中公新書ラクレ。2006

多くの関係者に取材を重ね、明らかになっていくのは以下の点。

・物理学会においては、論文への捏造疑惑があっても、科学研究が公正に行われているかを検証する機関がなく、研究者や研究組織の良心を信じる風土と、科学により「再現」できるはずという空気があった。
<-アメリカのバイオ分野における研究の公正さを保つためのORI:アメリカ研究公正局との比較、そして「再現」できないのはシェーンが特別なテクニック・機器を持っているためであり、自分達の技術が未熟だからと考える他の研究者の考え方が度々書かれる

・シェーン個人の通常の態度(研究、生活)の真面目さと、データの捏造が結びつかないという周囲の評判
<-しかし、実際には大学時代の研究から軽微なデータ操作を行っていたと思われることがあり、それが通じた(咎められなかった)ことから、シェーンの中にデータ捏造を可とする心性が形成されてしまったのではないか

・周囲の期待と経済学的事情が、シェーンの論文への疑念払拭を妨げた
<-指導を行うべきだったバドログに、研究成果によるノーベル賞他への期待があったのではないか。そして、当時経済的な事情から成果を出すことが求められていたベル研がシェーンの成果を利用しようとしていたのではないか。

・現在の科学界が持つ根本的な問題(企業・経済との結びつきの強化、専門性の細分化、国や組織からのプレッシャー。。。)が凝縮された事件ではないか

・・・
日本でつい最近(しかし、既に風化しているようにも思われるが)おきた事件との類似性も感じながら興味深く読める内容でもある。

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『女子高生アイドルは、なぜ東大生に知力で勝てたのか?』(講談社現代新書)

こんな番組があったんだ!と思った一冊(まぁ、テレビを見ないので番組しらないのは当たり前か。。)。

村松秀 『女子高生アイドルは、なぜ東大生に知力で勝てたのか?』。講談社現代新書。2016

NHKの番組「すイエんサー」では、日常生活の様々な疑問が取り上げられ、それを台本なしのロケで「すイエんサーガールズ」(女子高生を中心としたモデルやアイドルなどで結成された番組リポーター)が解き明かす。

台本ナシゆえ、そこでは「グルグル思考」といわれる、トライ&エラーが繰り返されていく。
この「グルグル思考」こそが、知識だけでは生まれない「知力」を育んでいると番組プロデューサーである著者は考え、名門大学(東大、京大。。)などへ挑戦状を叩きつけ、大学生と「すイエんサーガールズ」による知力勝負(紙を使った耐久性などをもつ構造物作成など)を行い、見事「すイエんサーガールズ」が勝ち越しているという実績を示す。

では、なぜ「グルグル思考」により、知力が育まれるのか?
著者は以下7つの力が伸びるためと考える。
1.疑う力
2.ずらす力
3.つなげる力
4.寄り道する力
5.あさっての方を向く力
6.広げる力
7.笑う力
これらの力が番組内でどう培われてきたかを振り返りながら、「グルグル思考」の可能性を考察する。

内容を要約すると味気ない印象になるが、実際の大学生との勝負場面など、読んでいるだけでわくわくどきどきできるのは、元がテレビ番組だからかなぁ。

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『才能を引き出した情報空間』(勉誠出版)

図書館を情報空間とし、各界のトップランナーたちへ、どのように図書館を活用したか、あるいはこれからの図書館はどのようになるかをインタビューする。
非常に面白い話が展開されているのは、対談者の才能だけではなく、インタビュアーである著者のインタビュー技術によるものだろうなぁと思いながら読了。

岡部晋典 『トップランナーの図書館活用術 才能を引き出した情報空間』 勉誠出版。2017

対談者は
第1部は、学術分野などで活躍する3人(落合陽一、清水亮、前野ウルド浩太郎)。
直接名前を聞いたことがなくても、その作品や業績、経歴を知ると、あ、聞いたことがある。。というような方。
ここでは、情報/知が展開される知の実践を踏まえた上で、図書館の活用や今後の図書館が語られる。

第2部は作家、思想家、ビブリオバトルの提唱者である3人(三上延、竹内洋、谷口忠大)
ここでは、図書館につきものの「本」についての思いや創作・思想活動における図書館の活用などが語られる。

第3部では、Web時代のおける図書館の活用を3人に(結城浩、荻上チキ、(大久保ゆう)
webが図書館・情報にどう関わってきており、どのように相互に触発しあっているかなどが対談される。

第4部では、国立国会図書館など実際の図書館運営に関わる3人(大場利康、花井裕一郎、原田隆史)への対談。
図書館の変化や課題が挙げられる。

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11月煮読んだ本(4冊)

仕事が少し忙しいのもあり、ほとんど流し読み。。。読んだ本のメモ程度ですが、今月今までに読んだ本4冊

庄司克宏(編) 『日本国憲法の制定過程 大友一郎講義録』千倉書房。2017

慶應義塾大学の法学部で講義されていた大友一郎氏の「日本国憲法制定過程」の講義録。
日本国憲法の成立過程は、ポツダム宣言の発出と受諾に源を持ち、憲法制定(改正)の義務を負った政府・国民が正しくその意味を理解せずに改定案を作成したために、総司令部案が提示されることとなった。その制定過程を詳細に示す。

片岡美華、小島道夫(編著)『事例で学ぶ発達障害者のセルフアドボカシー』。金子書房。2017

発達障害を持つ当事者が、いかに合理的配慮を周囲に求めていくのか(セルフアドボカシー:自己権利擁護)。そのためには、自分のことを理解した上で、それを提唱することで、バリアを取り払ってという意思を表明することが必要となる。
自己理解のための心理学的・教育学的な視点、提唱力としてのコミュニケーションについてを理論的に簡単に見た上で、事例を通して実践上のヒントを示す。

芳麗 『相手も、自分も気持ちよく話せる秘訣』。すばる舎。2016

3000人へのインタビューを重ねたインタビュアーによるコミュニケーションについての本。

キース・ブリッケンリッジ『生体認証国家 グローバルな監視政治と南アフリカの近現代』。岩波書店。2017

今流行の電子的生体認証というわけでなく、指紋等を使った生体認証が国家にどういう意図で用いられた/ようとしたか。
なんとなく読みにくくて、さらっと流し読みで終わってしまった。。。

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『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』(新潮社)

東京藝大。そこは東京、いや日本に残された最後の秘境。。。なのか?

二宮敦人 『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』。新潮社。2016

妻が東京藝大の現役学生なばかりに、東京藝大という学校の存在を知ってしまった著者。
彼は、東京の上野にあると言う、東京藝大=秘境を訪れ、そこに生息する人々を観察し、触れあい、理解しようとする。

秘境に入るためには、難しい数々の試練をクリアしなくてはいけない。
秘境は2つ(美校、音校)に分かれていて、どちらもそれぞれ独自の文化が発達している。
秘境で暮らすには、力強さと感性を使い、運と偶然も使いながら、自ら努力していかなくてはならない。
秘境には、それ以外のところに住む人々から見ると、よくわからない人がいる。
。。。

的な内容紹介をしようと思えばいくらでもできる、面白い話満載の本です。
でも、読んでいて思ったのは、東京藝大で学ぶ人たちは(生徒だけでなく、先生や藝大に関わる人全て)、きちんと生きているなぁということ。
自分自身の何かに対し、真剣に向き合いながら芸術も生活も1つとなった生き方を読んでいると(そして、きっと本人たちはそういう生き方を当たり前としていることに)、すごいなぁという思いばかりがわいてきます。

tag : 最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常

『大ヒットアニメで語る心理学』(新曜社)

日本でヒットするアニメに共通する特質は何かを、それらのアニメが示す「感情の谷」と回心から書く。
心理学主体ではなく、アニメを主体としてそこに書かれるストーリーから現代の心理を読み解こうとする本。

横田正夫『大ヒットアニメで語る心理学 「感情の谷」から解き明かす日本アニメの特質』。新曜社。2017。

日本でヒットするアニメには、「回心」「感情の谷」という特質がある。
著者は、下記のアニメを主人公の感情の変化をグラフ化しながら、そこに見られる感情の谷と回心が、日本人の好みにあい、日本でのヒットにつながることを、有名なアニメ作品を元に読み解いていく。

「太陽の王子ホルスの大冒険」では、ホルスの臨死的な体験からの回復と、その適役であるヒルダの回心(長期にわたる第三者との触れあい)が読み解かれる。

著者は「感情の谷」「回心」をより深く見ていくため、
「ブレイブ ストーリー」での主人公2人の感情の谷からの回心/虚無の対比
「バケモノの子」の九太と一郎彦の感情の復活/喪失の対比
「千と千尋の神隠し」の千尋の感情の谷への落ち込みと一気の回復
などを分析していく。
「感情の谷」理論は、強い感情体験による感情の谷への落ち込みとそれに続く意識の変容、その経過後に現実に戻ったときの新たな自分の発見につながるが、これは臨死体験・回心のモデルや精神病の発達過程のモデルにも見られることでもある。

さらに、アニメが語る心理として、動きの軽快/鈍重の重要性を「進撃の巨人」で見た上で、感情の谷と動きの2つから、「君の名は。」と「この世界の片隅に」を見ていく。

こういった「感情の谷」理論が、日本で作られた映画だけに特徴的ではなく、海外作品にもあることを「アナと雪の女王」の構造とその日本でのヒットで見た後に、日本ではヒットしなかった「レッドタートル ある島の物語り」には感情の谷がないことを示す。

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10月に読んだ本(2冊)

ジャンナ ・レヴィン『重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち』。ハヤカワ文庫。2017

重力波発見までの研究者たちのドラマ

フランソワ・ジュリアン『道徳を基礎づける 孟子vs.カント、ルソー、ニーチェ』。講談社学術文庫。2017(文庫版)

孟子をヨーロッパの道徳思想への対比のためのテキストとしながら、そこで語られていること(あるいは語られないこと)を軸に読みこんでいく。

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10月に読んだ本(4冊)

玄田 有史(編著) 『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』 慶應義塾大学出版会。2017

編者を始め16組の著者が、それぞれの専門分野から表題の問いについて考察する。結びで編者がそれらの意見をまとめる。

稲葉剛 『貧困の現場から社会を変える』 。POSSE叢書。2016

著者が実際に行ってきた支援活動や貧困についての社会的な問題点を書く

ナガイカヤノ『演奏者のための はじめてのボディ・マッピング 演奏もカラダも生まれ変わる』ヤマハミュージックメディア。2017

音楽家のための、(コナブルの)ボディ・マッピングを紹介する本。
ボディ・マッピングとは、自分の脳が無意識に把握していゆ身体地図を意識的に作り直していくこと。
筋感覚、全体と細部のフォーカスなどを手掛かりに、カラダの6つのバランスポイントにまず着目していく(AOジョイント、腰椎、股関節、膝、足首、腕)。
自分の持つ身体地図の簡単な修正方法(ワーク)が示され、その修正がどうカラダに反映されるかを味わうことも示される。
チーム腕やチーム脚/足のように、全体を意識しながら、指など細部へもフォーカスしている。

齋藤 敦子 『コクヨ式 机まわりの「整え方」 社内で実践している「ひらめきを生む」3つのコツ』 角川書店。

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10月に読んだ本(3冊)

10月に読んだ本から3冊

尾島俊雄(編著)『超高層建築と地下街の安全』。早稲田大学出版部。2017
地震、火災、噴火などの災害の歴史を踏まえ、超高層建築や地下の安全を検証、考察する。


山内一也 『はしかの脅威と驚異』。岩波書店。2017

麻疹(はしか)は誰もがかかるそれほど重くない病気と考えられるが、感染力が強くかつ死者もでる恐ろしい病気である。
その麻疹に対して、人類がどう対処してきたかを書く

岡部直明(編著) 『EUは危機を超えられるか 東郷と分裂の相克』。NTT出版。2016

EUからのイギリス離脱などを踏まえて、EUの今と今後を様々な研究者がそれぞれの研究分野から考察する

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『核大国ニッポン』(小学館新書)

堤未果『核大国ニッポン』。小学館新書。2017

ジャーナリストである著者が、アメリカ・日本を中心に、核について取材し、考察する。

・劣化ウラン弾による戦争帰還兵の健康被害問題。アメリカ政府は健康被害を認めず、また国を訴えた帰還兵は世間から突き放され、孤独化していく
・イラクやコソボでは、戦争で使われた劣化ウラン弾におり、健康被害が急増している

・アメリカの歴史教育では、原爆投下は必要だったとされており、またその歴史教育自体もアメリカの戦勝史的な側面が強い
・アメリカでも少しずつ歴史教育が変わりつつあるが、自分達で学んでいこうという少数の取り組みだけではなく、歴史そのものを単純化して教えるという大きな流れに変わっている

・オバマ大統領の「核なき世界」演説は、核を持たないアメリカを意味しているわけではない。軍あるいはビジネスと結びついたアメリカの核を追う
。。。

その世界の中、日本で何が行われているかを、市民の取り組みを中心にみていく第4章。

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tag : 核大国ニッポン

『漢字と仮名使い分けの法則』(山陽新聞社)

個人的にはとても面白かった本。
これで600円は安い。。。けど、この本読んで、面白がる人は少なそう。。。

菊池捷男『公用文と法令に学ぶ 漢字と仮名使い分けの法則 漢字は歌舞伎役者・仮名は黒子』山陽新聞社。2017

「常用漢字表」および「公用文における漢字使用等について」「法令における漢字使用等について」の内容を紹介し、具体的にどう漢字と仮名を使い分けるかを示す。

使い分けの原則は
・漢字には固有の意味があり、漢字固有の意味を伝えたいときには漢字で書く

・「常用漢字表」に漢字と”読み”がある限り、必ずその漢字を使う
・「常用漢字表」にない漢字は原則として使えない
・「常用漢字表」に漢字があっても”読み”がない場合は、仮名で書く

・実質名詞は漢字、形式名詞(本来の意味ではない「こと」「いう」など)は仮名
・副詞は原則として漢字

・「常用漢字表」にない当て字は公用文では仮名(この一覧が面白い。直ぐに、達(友達は漢字、それ以外は仮名)、図らずも、なども仮名)

2章は漢字と漢字の使い分けがまとめられている。
価(価格)⇔値(値打ち)
異常(正常でない)⇔異状(正常でない状態)
混じる(溶け合って入り込む)⇔交じる(溶け合わず入り込む)

3章は送り仮名について

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『街の公共サインを点検する』(大修館書店)

街中に溢れる(特に日本は溢れている。。)様々なサインが、日本語がわからない/一部しかわからない人にどう見え、どういった問題があるかをまとめる。

本田弘之、岩田一成、倉林 秀男『街の公共サインを点検する 外国人にはどう見えるか』。大修館書店。2017

公共サイン(公共施設などの看板、案内表示)がもつ問題点を、「ことば」の専門家(言語学者)が、特に外国人ユーザからの視点に立って、問題点と改善方法を指摘する。

問題点や改善事項としては
・外国語がわかりにくい(長文であったり不要な情報が多い、絵と外国語文の内容が離れている)
・ひらがなが活用されていない
・建物名や道路名などを英訳をすることで、日本人がわからなくなる
・ローマ字表記が統一されていない(特に長音や撥音、ハイフンの使用について)
・本来必要な数を超え、膨大な数の注意喚起があり、注意喚起できない
・注意喚起は要点を1点、明確な言い方で書く
・公共サインと商業サインが混在しわかりにくい。公共サインは統一し、ピクトグラムを採用すべき
・トイレがわかるような統一的なサインを
・不要な情報は載せない。レイアウトはすっきりと
・日本語と外国語のメッセージを同じにし、順序を変えない
・ピクトグラムで伝える(イラストにしない)
・防災を表すサインの統一と逃げる方向の明確化
・コインロッカーの操作方法の多言語化にデジタルサイネージが活用されはじめている

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tag : 街の公共サインを点検する

10月に読んだ本(食関係、3冊)

道江美貴子『なぜあの人は、 夜中にラーメン食べても太らないのか?』。クロスメディア・パブリッシング。2015

私自身、昨年実施して、成果をだせたあすけんでのダイエット(ただし、今少し戻ってる。70(2016/6)->58(2017/4)->61。
あすけん運営者である著者が、ダイエットを成功させるための食事についてノウハウを書く。
ちょっと目標を失っている今、この本で少しやる気がでてきた。。。気がする。

家庭栄養研究会(編) 『今日からできる 認知症予防の食事と生活』。食べ物通信社。2017

40歳代からの対策が認知症を予防でき、軽度認知障害も適切な対策をとれば半数は進行をとめられる。
カギとなるのは食事と運動。
食事で紹介されているのは、地中海食(野菜、豆、魚、オリーブ油)、和食(一汁三菜)。食材としてはサバ缶やカレー粉などの活用
避けるべきは、甘いお菓子、白米、白パン、サラダ油。
運動では、1日30分の早歩きと適切な睡眠時間。

永山久夫,、舘野鏡子『野菜できれいになる 野菜レシピ100おいしく食べて悩みを解決!』 マーブルトロン。2008

野菜を使ったお料理とその効能を豊富に紹介。

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10月に読んだ本(2冊、雑多)

荻野綱男 『ウェブ検索による日本語研究』。朝倉書店。2014

日本語を計量的に測定するための手段としてウェブ検索を使い、事例などを元にしながら研究方法や研究事例を紹介する(方言検索や表記ゆれなど)。
ウェブ検索の方法も有用だが、それ以上に示されているウェブ検索の限界(検索文字・検索エンジン・検索時期による検索数のゆれや、検索数を左右するネットのコンテンツの抱える問題など)が興味深い。

柏本 湊『ダイジェスト版 男の本格節約術 年収500万、5年で1000万円貯める』。ごま書房新社。2014

倹約の重要性。ただし、必要なものにはきちんと使う。

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Author:ホンの本好き
読んだ本からオススメの本を、半分備忘録的に記録します~

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