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9月に読んだ本(5冊、いろいろ)

かなり雑多。。。

松本顕 『時をあやつる遺伝子』 。岩波科学ライブラリー。2018

アンチエイジングとかそっちではなく、主に体内時計に関する遺伝子について。
研究者同士の人間関係や、体内時計に関わる遺伝子の研究をすると不幸が。。。といった話で軽めに読ませながら、きちんと研究成果や手法の変遷、今後の展開(と著者自身の功績も少し)をまとめる。

川野 祐司『キャッシュレス経済  21世紀の貨幣論』。文眞堂。2018

キャッシュレスは、仮想通貨だけではなく様々な仕組み、技術が含まれる概念。
日本で進展しないのは、技術的な統一性の方向に進まないためという指摘(確かに、旅行に行くと、ここSUICA使えるのかなーと思ったり。。。)。せまい日本の中でキャッシュレスに限らず、電力そのほか統一性がないのは不思議というか、なんというか。

椎名 号『40男が同人デビューしていきなり1000万稼いじゃいました』実業之日本社。2018
同人誌を儲けのための手段と考えてではどうしたか、を書く。
あとがきで仲間というか賛同者募集しているのがどうなのかと思いながら、趣味とビジネスは別と割り切る視点はわかる。

米山 公啓『AI時代に「頭がいい」とはどういうことか』。青春出版社。2018

内容的にAI時代という文字はいらないんじゃなかろうか、と思いながらざっと読み。
頭のよさについての考え方など

笹川 大瑛 『関トレ 関節トレーニングで強いからだを作る』。朝日新聞出版。2018

関節を守る筋肉のトレーニングを理論的に行うことで、どういった効果があるかを丁寧に書く。
もう少し実戦部分のところがわかりやすいとよいなぁと思いつつ読了。


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『世界から消えた50の国』(原書房)

世界から消えた国家を独自の視点からまとめる。

ビョルン・ベルゲ 『世界から消えた50の国 1840-1975年』 原書房。2018

著者は著名な建築家であり、歴史家というわけではない。
そんな著者が、切手収集という趣味を起点に今はなき50の国家に思いをはせたのが本書。
政府が発行する切手には、その国の(政府側)からの視点や思惑が大きく反映されており、また、モノとして残っている歴史的な事物でもある。

著者が本書を書くにあたって、資料としたのは「切手」、「(一次資料としての)目撃証言」、「歴史家や小説家などが伝える知識」。
これらのレベルに注意しながら、50の国が年代別に6つにまとめられ紹介されている。

ほとんど知らない国ばかりだが、、、

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tag : 世界から消えた50の国

『地図から消される街』(講談社現代新書)

東京電力福島第一原発事故を追い続ける新聞記者である著者。
「無関心」がすすむ中で、7年経ち原発事故が人々の暮らしにどう影響し、そしてどう「なかったこと」にされているのかを記す。

青木美希 『地図から消される街 3.11後の「言ってはいけない真実」』 講談社現代新書。2018

政府が「なかったこと」にしようとしている原発事故。
しかし、そのまま「なかったこと」として受け入れれば、次の「なかったこと」・切り捨てられる人を生む。
そんな思いで著者が原発事故により追い詰められる人々・「なかったこと」にしようとする動きを記した新書。

第1章は、地元で採用されていた東電社員やその家族を書く。実際に事故現場にいた社員からは、生々しい事故の様子が語られ、同時にどれだけ被曝したかわからない不安が書かれる。また、事故により職を失い再就職もままならない50代以降の人々の不安が書かれると同時に、仕事仲間の苦悩や周囲の冷たい視線も書かれる。

第2章では、手抜き除染の実態が書かれる。一人ひとりの作業員はキチンと行いたいと考えていても、会社あるいはもっと上がコストのためか、あるいは元々意味がないと考えてか「移染」でしかない行為を進め、それを監視するべき行政も縦割りによる人不足などを理由に看過し。。。

第3章は、帰還政策について。「帰還」ありきの国の進め方に住民は言葉を失う。
なぜ、事故によるこのような莫大な被害を省みず再稼動政策が進められるかについて、引退した専門家により国防=兵器転用の可能性による抑止力という回答が出る。

第4章は、官僚たちが原発事故後どのように事実を「なかったこと」にしようとしているか、その組織的な動きの一端が示される。そこでは原子力規制委員会が、事故の影響を過小評価(あるいはない)という方向にもっていき、また誰も責任をとらない体制の中で再稼動のために「安全」が強調されている実態が書かれる。

第5章では、「原発いじめ」について。ここでも、学校がいじめをなかったものとしようとする姿勢が明らかになる。

第6章は自主避難者が行政の支援等から見捨てられていく状況が書かれる。そこにある誤解・偏見はなぜ生まれているのか、、

2章の、志のあった地元行政で働く職員の死も淡々と(しかし、なぜという思いと共に)書かれる部分が印象に残る。
また、3章の国防(抑止力)と言う言葉も、もし今後同様の原発事故が発生すれば(地震・火山など自然災害以外にも、テロなどの可能性もあるし。。)、抑止力で守ろうとするものって何なのかな、それが残るのかなという気さえしてしまう。

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tag : 地図から消される街

『ルネ・マグリット 国家を背負わされた画家』(水声社)

表紙には、たぶん誰しも一度は見たことのある絵(美術の教科書にも載っていたなぁ)。
画家と国家との関係を美術史・文化史の側面から追った博士論文の書籍化。

利根川 由奈 『ルネ・マグリット 国家を背負わされた画家』 水声社。2017

シュルレアリスムを代表する画家の一人であるマグリットは、ベルギーに生まれ、ベルギーで職を持ちながら制作活動を続けた。
しかし、彼自身は決して”ベルギー”を絵に持ち込もうとしたわけではなく、むしろそういったものを絵に入れないようにしていたといえる。

一方、ベルギーは国家としてその特殊性(2つの文化の異なる地域をまとめるベルギー的なモノの必要性)から、”ベルギー”文化を求めていた。このため、ベルギーにおいて、マグリットはベルギーの美術史の文脈におく必要があり、ベルギーのそれまでの絵画が持っていた「幻想性」を表現した画家として評価を試みた。

また、同時にベルギーの美術と産業を結びつけるものとして、積極的にマグリットを公共事業や産業広告へ利用した。
こうした国家の思惑が、マグリットに戦後ベルギーの象徴という位置づけを与えたと考えられる。

第1部 マグリット作品に表されているもの・表されていないもの
第2部 ベルギー美術史とマグリット
第3部 対外文化政策とマグリット

※読んでいると個人的にはとても面白いのですが、学術書という特徴上、要約も淡々としたものになり。。。
 でも、オススメです

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tag : ルネ・マグリット 国家を背負わされた画家

8月に読んだ本(3冊)

PMPの資格試験の勉強を口実に、更新が滞ってます。。。読書量も8月は少なめでした。

小竹雅子 『総介護社会 介護保険から問い直す』 岩波新書。2018

介護保険に関するヘルプセンターを立ち上げている著者が、介護保険の制度・財政的な問題点や実態をまとめ、利用者の意思を重視した制度のあり方を提言する。
読んでいて、少なくとも今の制度が続くとしたら、私が介護が必要になっても実際には使えないだろうなぁと考えてしまいました。

黒川正剛 『魔女・怪物・天変地異 近代的精神はどこから生まれたか』 筑摩書房。2018

ヨーロッパ中世末~近世において起きた魔女狩りの激化と驚異の大増殖は、好奇心に対する教会(宗教)の警戒・抑制を背景に生まれたものであり、科学の発展などとともに好奇心へ肯定的評価が与えられる時代となって終焉を迎える。

ルイーズ・ハンフリー&クリス・ストリンガー 『サピエンス物語(大英自然史博物館シリーズ )』エクスナレッジ。2018

いわゆる人類がどのように生まれ進化してきたか。ホモ・サピエンス以外はどのようにして絶滅したかを化石等から推測する。

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『職場のハラスメント』中公新書

大和田敢太 『職場のハラスメント なぜ起こり、どう対処すべきか』中公新書。2018

労働法、労働問題の研究者であり、現在は民間団体で労働問題の相談活動にもかかわる著者が、日本におけるハラスメント被害者の救済がなぜ進まないかを考察し、どうすればよいかを提言する。

パワハラ、セクハラ、モラハラ、アカハラ。。。日本においてはハラスメントがその根本部分を考えることなく、細かい事象的なものに分類されて、定義が曖昧なまま使用されている。
また、どちらかというと行政等による一方的な定義づけがハラスメント問題を矮小化してしまっている部分がある(職場のハラスメントはパワハラのみであり、かつ事実確認を責任追及が混同されており、確認=責任をとることという理解が確認自体への消極性を生んでいる)。
こういった日本の状況では、被害者がハラスメントを訴えにくい。

著者は、ハラスメントについてヨーロッパなどの定義づけなどを参考にし、意図の有無や外形的な細分化ではなく、
「労働者に対して、精神的あるいは肉体的な影響を与える言動や措置・業務によって、人格や尊厳を侵害し、労働条件を劣悪化しあるいは労働環境を毀損する目的あるいは効果を有する行為や事実」
と包括的に定義をする。

第2章では日本の職場におけるハラスメントを、統計や各種団体における調査などから考察していく。この中で、性別・企業規模・業種などによる差を見ていきながら、日本において職場のハラスメントが深刻化していることを示す。第3章では、具体的な事例から、職場ハラスメントがどういう形で起きているかを明らかにする。

第4章では、職場ハラスメントへの対策として、被害者救済の視点から職場(企業)、外部団体、法規制などでどういった解決方法が可能かを考察する。
具体的な提言としては、巻末に被害者向け、企業向け(防止、事後対応、担当者)、行政向けにそれぞれまとめられている。

被害者向けには
1.被害を記録(録音、写真、承認)
2.家族や第三者へ話すことで苦痛を理解してもらう
3.職場の人に話し、孤立感を和らげる
4.ハラスメントから離れる
5.上司、人事、労働組合への相談
6.企業内のハラスメント手続きの利用
7.二段階上の上司や企業責任者への訴え
8.外部専門組織への相談
9.加害者への対応を求める(謝罪、処罰、異動、加療)
10.権利と救済のための行動(労災、賠償)
などがまとめられる

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tag : 職場のハラスメント

8月に読んだ本(6冊)

野間俊一『身体の時間 <今>を生きるための精神病理学』。筑摩書房。2012

精神病理の現状は、人間がおかれている身体と時間の感覚の変化を示しているのではないか、という点から、PTSDやそのほかの精神病理から考察していく。
情報の氾濫、時間と身体の軽視が人間の生・生身の感覚を失わせているのではないか。

楡 周平『「いいね!」が社会を破壊する』 。新潮新書。2013

自分たちが進めることにより、自分たち自身が不要となる社会。その流れが加速化している。。。

なんとなく、ざっと読み。
池田知久 『訳注 「淮南子」』 。講談社学術文庫。2012


鯖(好き)、の本。どうでもいいけど、出版社が山と渓谷社なんだ。
全日本さば連合会、 池田陽子『鯖 サバが好き!旨すぎる国民的青魚のすべて』。山と渓谷。2018


仕事関係というか、PMP関係でスクラムについて知っておいたほうが良いかと思い2冊ほど関連書を。
貝瀬 岳志、 原田 勝信『スクラム実践入門  成果を生み出すアジャイルな開発プロセス』。技術評論社。2015


平鍋 健児、野中 郁次郎『アジャイル開発とスクラム 顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント』。翔泳社。2013


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『歴史修正主義とサブカルチャー』 (青弓社)

歴史を都合よく解釈し流布する行動がよくわからなかったが、本書を読んであぁ、と思うところもあり。

倉橋 耕平『歴史修正主義とサブカルチャー』 。青弓社。2018


第1章では、歴史修正主義における歴史が枠組みを共有しないものとのコミュニケーションを難しくすることを示し、また、歴史修正主義のビジネス化(保守ビジネス・愛国ビジネスという言葉も出てくるが、ある意味「保守」を売り物にして儲ける仕組み)を見る。

第2章では、歴史修正主義がディベートという形式を好むことを示していく。そこでは事実は重要ではなく、歴史的な事実を争うのではなく、自らの主張を一方的に述べることを「勝つ」とみなされる雰囲気がある。
ディベートでは、ある意味歴史学的な通説に対し、それに異を唱えるマイナーな説を通説への対抗として同じレベルにあるようにみせかけることができる。
ディベートは、本来事実や真理を確定するものではないが、こうした状況においてディベートが歴史学とは関係ないテクニカル面での論破により、歴史修正主義を流布するのに役立っている。こうした「勝つ」状況が、自ら・日本の「負けない」アイデンティティと結びついている。

第3章では1990年代の保守論壇の展開、メディアの利用についてを読者と読者の囲い込みに見る。また、その例として第4章では具体的な例に焦点をあててみていく。

第5章では慰安婦問題について、実際の新聞報道の分析と、メディア間の対立を煽ったのは誰か・どういう論理(の飛躍)だったか、そしてその中で論者がどう自らの立場を構築したかを考察する。

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tag : 歴史修正主義とサブカルチャー

『GRIT』(日経BP社)

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リンダ・ギャプラン・セイラー、ロビン・コヴァル『GRIT 平凡でも一流になれる「やり抜く力」』日経 BP社。2016

タイトルは、
Guts Resilience Initiative Tenacity (度胸 復元力 自発性 執念)
の略。
偉大な成功者の共通点は、才能ではなくこれらの文字に示される確固たる決意と忍耐にあった。
08-16 18:44

高い自尊心や自分を特別と思う心は人を諦めやすくする。その代わり、失敗から得られたGRIT=困難に挑む勇気、失敗から立ち直り、自発的に動き、目標に、集中し続けることが成功を生む。
08-16 18:44

練習をできるだけ行う。難しければあと30分だけ余計にがんばる。
何をしたいかを吟味したら最初の一歩を踏み出す。
そのためにはキーとなる言葉を毎日意識するようにする。
変化のための実行プランを立てて毎日やり終える。
08-16 18:44

安全運転を止め、居心地の悪い状況をあえて作ることで頭を刺激する。
変化がなくても退屈をせずにほんの少しのことや毎日きちんとすることを丁寧に行う。
マイナスのことがしたければ30秒だけ待つようにして、本当にしたいかを考える。
08-16 18:44

挫折には、充電と取り入れながら次にどう活かすかを考え続ける。
こういった具体的な方法が、成功した人(自分のやりたいことをやり通した人々)の具体例と共に書かれる。
08-16 18:44

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tag : GRIT

『ドラグネット 監視網社会』(祥伝社)

honnohon

ジュリア・アングウィン 『ドラグネット 監視網社会 オンライン・プライバシーの守り方』。祥伝社。2015

ウォール・ストリート・ジャーナルで働く著者は、アメリカにおけるプライバシーの取り扱いにつき疑問を抱き、自らのプライバシーを守るためにはどうすればよいか試行錯誤する。
08-14 06:26

本書はその記録であり、またそこから生まれたプライバシーはなぜ重要か、いかに我々はそれを守り時に手放すバランスを考えるのかの考察でもある。
08-14 06:26

具体的なソフトや技術的手段は本書で確認するとし(ただし、5年ほど前の取り組みであるため、これらの技術が現在は使えなくなっている可能性は高いが)、著者があげる手段は下記の12。
08-14 06:26

1.自分の敵は誰なのかを見極める…何から身を守ろうとしているのか
2.各アカウントに異なる長いパスワードん設定する…単語ではあるがランダムに複数設定することで強固性を増すhttps://t.co/JwZUdno8AC3.検索を止める…本書ではゴーゴーダック使用
4.Gメールを止める
08-14 06:26

5.ネットに架空の名義をつくる…というか、架空の人物設定からかなぁ
6.偽名のクレジットカードを作る…日本では少し事情が違うかも
7.携帯電話は使い捨てのプリペイド携帯を使う
8.携帯番号やメールに覆面をする
9.携帯電話をアルミホイルなど電波を通さないもので包む
08-14 06:26

10.データブローカーの持つ個人データをオプトアウトする
11.トラッキング防止ソフトを入れる12.暗号化通信ソフトを使う
08-14 06:26

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tag : ドラグネット 監視網社会

『公文書問題 日本の「闇」の核心』 (集英社新書)

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瀬畑源『公文書問題 日本の「闇」の核心』。集英社新書。2018

現政権による公文書の軽視。その背景にある日本の公文書管理制度の問題(明治時代=「天皇の官吏」時代の、官吏にとって必要なものだけ残せばよいので経過は捨てる)からの公務員意識がある。
08-10 19:13

公文書の必要性としては、
1.公務員が全体の奉仕者である以上、国民に対する説明責任があり文書が作成・管理されることが必要
2.説明には、文書で証拠をプロセスと共に明示することが必要というためである。
08-10 19:13

本書では最近の政権、行政が行政文書を作らず、あるいは、私的メモと強弁することで公表しないことを、公文書管理法の目的や内容から見て理念が骨抜きにされていることを指摘する。単に国内だけでなく、外交では文書の不存在が致命的な弱点になる問題も挙げる。
08-10 19:13

また、特定秘密保護法が、いかに国民から必要な情報を奪っているかについても考察する。
国だけでなく都など地方公共団体でも文書の不存在が問題になっている。そこには、都の公文書管理条例が制定されていないなど地方公共団体における制度の未整備がある(2017年都は制定したが内容はお粗末)。
08-10 19:13

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『疲労と回復の科学』(日刊工業新聞社)-疲労をきちんと考えると

疲労している、なんか疲れがある、というのは当たり前。。。
今の日本人が考えるその状況が果たして健全なのか。きちんと疲労について研究を進める著者達による疲労の研究。

渡辺 恭良、水野 敬 『疲労と回復の科学  (おもしろサイエンスシリーズ) 』 日刊工業新聞社。2018


・疲労は健康科学的に考えると「未病」(まだ病気ではないが、かなり病気に近い状態)であり、身体的な状態だけでなく、精神的な部分の後退的な自覚症状も含む。研究上は「過度の肉体的および精神的活動によって生じる作業能率や作業効率が統計的有意に低下した状態」

・人の身体は休息の必要性を痛み・発熱・疲労の三大生体アラームによって知らせる。しかし、このなかで疲労に対する研究は「疲れるのは当たり前」という観念・諦念により遅れている。

・疲労は継続すると慢性疲労、慢性疲労症候群(CFS)、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群にまで繋がる。ストレスと感染(ウイルスの再活発化)が原因と考えられている。

・身体的な疲労は、活動量の低下や睡眠状態、神経の興奮状態などから測ることができる

・疲労回復のためには、例えばレモンやスマイルサプリメントロボット、微細気泡浴や諸薬などが科学的に効果があると立証されてきている。また、抗疲労薬や食品の開発も進められている

回復策については、どちらかというと現在の研究状況などを紹介するにとどまり、具体的なモノや方法をすすめるものではないが、少なくとも疲労を受動するのではなく、積極的に(早い段階、日常生活のなかで)対応していくのが好ましいことは感じた。

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『東京商店街さんぽ VOL.3 東京23区城西エリア』(秀和システム)

秀和システムが、こんな本も出しているんだと思ったり(IT関係の本しか出版していないと思ってました)

見知らんジャパン研究室 『東京商店街さんぽ VOL.3 東京23区城西エリア』 秀和システム。2017

城西エリア版。紹介されるのは新宿、練馬、中野、文京、渋谷、杉並の各区にある商店街や通り。

商店街というと、駅で言うと高円寺や阿佐ヶ谷、荻窪、中野などにあるイメージ。
また、文京区は神楽坂がおしゃれな通り(商店街っていうよりも通りかなぁ) としてあるのは頭にありましたが。。。
本書で取り上げられている新宿サブナードも、確かに商店街って言えば商店街。なるほど。
さらに新大久保などアジアンテイスト溢れる通りや、昭和感いっぱいな練馬の江古田の商店街もふむふむ。

面白いのは新宿の昔の写真が紹介されているページで、5,60年ほど前はまだこんなんだったんだ。。。という不思議な気もしました。


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tag : 東京商店街さんぽ VOL.3 東京23区城西エリア

『最初の、ひとくち』(幻冬舎文庫)-すーちゃん、が食べてきたもの

大人なのか子どもなのか迷う人々をそのままの気持ちで描く(と勝手に思っている)益田ミリさんの、食に関するエッセイ。
様々なものを最初に食べたときの甘かったりすっぱかったりする思い出が4コママンガと共に描かれる。

益田ミリ 『最初の、ひとくち』。幻冬舎文庫。2010

子ども時代から今にいたるまで、はじめて出会った食でどうその味を感じたか、が描かれる。
おかしではエンゼルパイやピノやカラムーチョなど(あと、いかに個性的に食べようとしたかの見開きがまた面白い)。
飲み物では、シェイクの衝撃(を味わえるまでの紆余曲折)が描かれたり、午後の紅茶というネーミングへの思いも描かれたり。

ツナマヨは確かに驚きの味だったなぁとか、フルーチェは何で固まるのか不思議だったなぁとか、そんな僕自身の思い出も甦りながら読み進められる。
なんか懐かしさがピンポイントで感じられると思ったら。。著者、私とほぼ同年代でした。

すーちゃん、はこちらから。
益田ミリ『すーちゃん』(http://honnohon.blog137.fc2.com/blog-entry-135.html

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tag : 最初の、ひとくち

『胃袋の近代』(名古屋大学出版会)-一人ひとりの食の日常史へ

歴史は大きい歴史や人を社会を一括りに捉えるだけでは見えてこない。
人びとの体温が感じられるような世界を、個々人の人間にとって最も切実な「食」という視点から捉えることで、逆に社会の歴史を具体的にしていこうという意図で書かれたのが本書。時代は日本の明治~第二次大戦前後を中心に書かれている。


湯澤 規子 『胃袋の近代 食と人びとの日常史』。名古屋大学出版会。2018

冒頭のような意図から書かれた本書では、マクロ的な視点(国勢調査等の人口動態による都市への人の流れ・地域の経済状況など)を踏まえながら、文献調査等による個人や一つ一つの食堂、職場の姿が具体的に書かれる。それは、すぐそばに飯を喰らう人の姿が見えるような文でもある。

内容としては、以下のようなことがまとめられている。
・近代化による大都市への人口流入により生まれた食への需要が、一膳飯屋や公営食堂を生み、そこには公による都市政策の変化もあった

・産業革命による工場への人の集中は、工場など職場で共に食事をとるというスタイルを生み、そのスタイルはそれぞれの人の考え方にも影響を及ぼすものであった。また、食状況改善のなかで、衛生や栄養についての研究が日常の企業活動などと結びつける動きが生まれた

・漬物にみる、食の消費と生産の結びつき。漬物からさらに農産物などへ展開し、作る側の気持ちなどまで焦点があてられながら食材の流通経路の生成が考察される

・食堂に行けない層が何を食べたかを、残飯を中心にみる


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tag : 胃袋の近代

絶滅危惧の地味な虫たち (ちくま新書)-虫の名前ってなんて個性的でヒドイんだろう

ウスケメクラチビゴミムシ(細かい体毛に覆われるメクラチビゴミムシ類の虫。絶滅したと思われていたが2000年代に入り奇跡の発見)
ババアメンボ       (日本を代表する昆虫学者の一人、ババは馬場金太郎からとられる)
キカイホラアナゴキブリ (鬼界島の洞窟でみつかった小さく美しいゴ。。。)

こんな個性的な名前を持ちながら、見た目は地味な昆虫が本書では何種類紹介されているんだろう。

小松 貴『絶滅危惧の地味な虫たち』  ちくま新書。2018

日本には推定10万種類以上の虫が昆虫がいるが、その実態は定かではない。
環境省の作るレッドリストでは、868種の昆虫が取り上げられているが、そのうちの8割程度は小さくてどうでもいいように思われるような地味な虫たち。しかし、かれらが地方公共団体などの保護活動で取り上げられることはない。だって地味だし、知られてないし、多くは「人間にとって心地よくない」虫だから-ハエとかアリとかハチとか、よくわからない虫とか。。。

昆虫学者である著者は、そんな現状を危惧し、また絶滅危惧種を紹介することでの彼らの被害にも苦慮しながら、あえてこの本を書いた。それは、ひとえに著者の彼らへの愛。。。だけでなく、そんな彼らを知って欲しい、というか昆虫を知らない/知ろうとしない社会が果たして本当によい社会になりうるのか、という思いがあるように感じた。

コウチュウ目、チョウ目、ハチ目、カメムシ目、ハチ目、バッタ目とその仲間、クモガタ類、多足類
とわかれ、それぞれの絶滅危惧種が、著者がフィールドワークで見かけたものを中心に紹介されている(口絵の不思議さも感じられる虫たちの美しいカラー写真だけでなく、本文中にも虫たちの地味な写真が数多く)。

アリ専のクモがいるんだ。。。
アメンボってカメムシの仲間だから独特の匂いがするんだ。。。
カタツムリの空き殻に巣を作る八チが存在するんだね。。。

こういった虫たちを知ることができるのは、著者のような虫好きがいるからこそ。しかし、そんな虫好きそのものがもしかしたらどんどん数少なくなり、保護されるべき存在なのかもしれな。。。

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tag : 絶滅危惧の地味な虫たち

『Black Box』 文藝春秋

伊藤 詩織『Black Box』 文藝春秋。2017


自分の住む社会・国がおかしくなっているのをただ見ている自分自身を感じてしまう。

読んで、今の日本を知る。
読んで、考える。
できれば、自ら何らかの行動につなげる。

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tag : 『Black Box』

7月に読んだ本(3冊)

ジャンルはいろいろ。

藤井 義晴『植物たちの静かな戦い 化学物質があやつる生存競争』 化学同人。2016

タイトル・表紙同様に(?)、静かに植物が化学物質を利用して行っているアレロパシー(他感作用)について、その実例や人間社会(農業等)への応用について書く。

市川 伸一『考えることの科学 推論の認知心理学への招待』  中公新書。1997

推論についての認知心理学的な考察、知見。

竹花 和晴 『グラヴェット文化のヴィーナスの像 旧石器時代最大の美と知のネットワーク』 雄山閣。2018

ヨーロッパのグラヴェット文化におけるヴィーナス像の共通性や違いなど。ちょっと追いきれなかった。。。




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ジャンル : 本・雑誌

『蜂と蟻に刺されてみた』(白楊社)

イグ・ノーベル賞を受賞した生物学者による、真面目な?針を持つ昆虫についての本。

ジャスティン・O・シュミット『蜂と蟻に刺されてみた 「痛さ」からわかった毒針昆虫のヒミツ』 白楊社。2018

読み終わると昆虫(のなかでもハチ・アリ)が持つ、針という防衛・攻撃システムについて深く知ることができる一冊。
サシハリアリが地球上で刺されると最も痛い虫だということまでおまけでわかる(なぜわかったか。。。著者の経験から)。

生殖器から針が形成されていったことや、針を刺すことによるメリット・デメリット、種ごとによる毒の有無や相手への影響の違いが、その種にとって(その種の生きる環境に対して)最もメリットがあるということなどが示される。

著者によるシュミット指数(ハチとアリに刺されたときの痛みを、ミツバチを基準に0~4で数値化したもの)については、巻末に一覧があるが。。。読んでいて楽しい。

「ハッと目が覚める感じ。強烈に苦いコーヒーを飲んだときのような」:痛さレベル1 インディアン・ジャンピングアント
・・・
「焼かれるような、蝕まれるような痛みだが、どうにか耐えられる。燃えたマッチ棒が落ちて焼けどした腕に、まず苛性ソーダをかけ、次に硫酸をかけたような」:痛さレベル2 ウェスタン・ハニービー(セイヨウミツバチ)
・・・
「拷問以外の何物でもない。火山の溶岩流の真っ只中に鎖でつながれているみたい。それにしても、私はなぜこんな一覧を作り始めてしまったのだろう」:痛さレベル4 ウォーリアーワスプ

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tag : 蜂と蟻に刺されてみた

『ユリイカ 2015年1月臨時増刊号 総特集 岩明均』(青土社)

ヒストリエの続刊を気長に待つ中で、検索していたら出てきた本。

『ユリイカ2015年1月臨時増刊号 総特集 岩明均  『風子のいる店』『寄生獣』から『七夕の国』、そして『ヒストリエ』へ』青土社。2014

寄生獣がアニメ化・映画化された頃に出版されたもの。
岩明均への書面インタビューや、各氏による作品等の解説や思い。
メジャーな作品である『寄生獣』だけでなく、短編集や初期の『風子のいる店』なども取り上げられる。
様々な人が様々に岩明氏の作品を読む姿を読んでいると、なんか『羅生門』の世界のような。

まぁ・・・ヒストリエ、早くでるとうれしいなぁ。

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tag : ユリイカ 2015年1月臨時増刊号 総特集 岩明均

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読んだ本からオススメの本を、半分備忘録的に記録します~

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