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3月に読んだ本(5冊)

いろいろ。

木下 衆『家族はなぜ介護してしまうのか 認知症の社会学』。世界思想社。2019

社会学者が、介護家族会などを通じ、認知症患者の家族がどう思い行動しているか、社会に対してどういう思いを抱いているか(あるいは社会との関わりがどうなっているか)を書く。

楠木 新『定年準備  人生後半戦の助走と実践』。中公新書。2018

50代からあせらずに自分の向いているものを探し(多寡問わず)お金に換えられるようにする。そのためには会社員は身銭を切り、個人事業主の感覚を身に付け、相手に向くことが必要

小林弘幸『医者が考案した「長生きみそ汁」』 アスコム。2018

すりおろし玉ねぎ1個分、赤・白味噌 80gずつ、リンゴ酢大さじ1をまぜて製氷皿で冷凍。10等分して1杯1個。

Shin 『シンプルTODOリスト仕事術』。ポプラ社。2018

まとめの図がわかりやすい

見田 宗介 『現代社会の理論 情報化・消費化社会の現在と未来』 。岩波新書。1996

テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

『ゾンビ・パラサイト ホストを操る寄生生物たち』 (岩波科学ライブラリー)

生物もの(だけではないけど)で興味深い本が多い岩波科学ライブラリーの一冊。
ゾンビそのものではなく(ゾンビは生物なんだろうか。。)、ゾンビを生み出す寄生生物たちに焦点をあてる。

小澤 祥司 『ゾンビ・パラサイト ホストを操る寄生生物たち』 。岩波科学ライブラリー。 2016

ゾンビのように、寄生した相手を乗っ取り行動を操るパラサイト=寄生生物(他の生物の体内や体表を生活の場とする生き物)。
そんなパラサイトの能力を考察しながら、彼らの進化について考える。

・1章は菌類と生物の関係として、SFなどに出てくる寄生キノコを取り上げた後に、昆虫に寄生する菌類としての冬虫夏草を取り上げる。ついで、冬虫夏草の1種としてアリに寄生し、アリを操って菌類が繁殖しやすい条件の場所まで誘導してアリを殺す菌が紹介される

・菌類と植物、昆虫は進化上影響を及ぼしあう期間がながかったが、菌類と脊椎動物の相互作用の歴史は短い。このために哺乳類と菌類の攻防は今も続いている(アルツハイマー病と脳への菌類の感染の研究は興味深いというか怖いというか)

・2章では昆虫に寄生し、昆虫の行動を変える寄生生物が取り上げられる。カマキリやカマドウマに寄生し彼らを水辺に移動させ溺死させるハリガネムシ。このハリガネムシの行動は、森と川の生態系をつなぐものともなっている(川に昆虫が飛び込むことで魚に捕食される。もしも昆虫が飛び込まないと川の生態系が変わってしまう)

・さらに魚の行動を変えて鳥に捕食されやすい行動をとらせる寄生虫が紹介される

・こういった寄生生物は、物理的・化学的な手段を使い、寄生された生物の神経系や感覚系に干渉することで行動を変化させている

・3章では、寄生した生物を餌として食べる捕食寄生者が書かれる。寄生バチなど昆虫が大半である。

・4章では、ヒトと寄生生物の関係を考える上で、猫を最終宿主とするトキソプラズマが、人間の行動を変えている(トキソプラズマが人間に寄生すると猫を好ましく感じさせている)かもしれないことが書かれる

テーマ : オススメの本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

tag : ゾンビ・パラサイト

『老眼のウソ 人生をソンしないために』(時事通信社)

眼科医による老眼についてのわかりやすい解説。
きっと本書を手に取るであろう人のために文字サイズが大きくなっているのが、読者を考えているなによりの証。

平松 類 『老眼のウソ 人生をソンしないために』。時事通信社。 2018


・老眼の症状は、手元がみにくくなるだけでなく、そこから派生して肩こり・頭痛・疲れ・体調不良、さらには認知症などもある

・老眼は「目のピントが合わせにくくなる状態」
・老眼は、近視の人でも若い人でもなる。夕方はなりやすい

・老眼の対処法は状況やその人の考え方により違う。
 老眼鏡がokなら老眼鏡。
 老眼鏡をかけたくなくてコンタクトはよいならコンタクト。
 老眼鏡もコンタクトも嫌なら手術。
 老眼鏡もコンタクトも手術も嫌ならトレーニング

・トレーニングで効果があるのは、目と脳を連動されるトレーニング。それ以外のトレーニングは自分に合ったものを根気強く行うことが必要(毛様体筋を鍛える、自律神経に働きかけるなど)

・食べ物に気をつけるなら青魚(DHA)を摂る
・老眼の薬も開発中である

・老眼鏡をつくるなら、お昼前後で目が疲れていないときがおすすめ。きちんと話を聞いてくれる人がいるところでつくるのがよい
・老眼鏡をかけても老眼は進まないので、老眼鏡を買うのを躊躇しないほうがよい
・作るときには、どこ(何)を見たいか、どの位の時間見るのか、老眼鏡のかけはずしをするか、を考えておくと適切なものを選びやすい

その他、コンタクトや手術についても種類やメリット・デメリットがきちんと書かれていてとても読みやすい。

テーマ : オススメの本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

tag : 『老眼のウソ 人生をソンしないために』

『プロジェクトを成功に導く システム外注の教科書』(ナツメ社)

情報システム部門に所属しない、現場のシステム担当者(というかたまたまパソコンなどに少し詳しい人)が自部門のシステム導入の責任をまかされて。。。というストーリーの中で、システムの外注について学ぶ

島本道夫 『プロジェクトを成功に導く システム外注の教科書』。ナツメ社。 2019

営業部の神田君はパソコンに少し詳しいため、営業部のみんなからEXCELの使い方を聞かれたり営業管理資料を作ったりの毎日。
ある日急に部長に呼ばれ、「販売管理システムを入れたいからよろしく!開発は業者に頼めばよいから!」といきなりシステム導入をまかされる。以前経理部にシステム導入したときの経理部の担当者からノウハウを聞きながら、システム外注について学び、実際にシステム導入を進める。。というストーリー。

企画、要件定義、提案依頼と委託先決定、設計・開発、テスト・検収、教育、移行・運用・保守、そしてシステム導入後のライフサイクルと章を分け、それぞれについて概要をマンガでわかりやすく示したあとに詳細な説明が行われる。

発注を行うユーザ部門としては、参考になるのは最初のほうの
・自社(自部門)のIT成熟度-入れても活用しない/部門ごとの効率化レベル/企業全体の効率化ができる/企業を超えた効率化ができる、を考えないとシステムを入れても使いこなせない

・(当たり前だが)システムは手段であり、何かしらの目的のために使うモノ。だから目的をきちんと明記し確認する

あとは受け入れ検収のときの考え方
・品質が100%はない

・全てができるまで行うのか条件つき受け入れにするのかなどのアドバイス
やユーザ教育の進め方
など。

(読み終わって、この会社には情報システム関係の部署はないのかな。経理部も営業部も総務部もそれぞれ独自にシステム導入をして、あとで大丈夫かなーと思ったり)

テーマ : オススメの本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

tag : プロジェクトを成功に導く システム外注の教科書

『未来の再建』(ちくま新書)

現在の日本の状況が、だれもが弱者になりうる社会であり、さらに弱者を助け合うのではなく攻撃しあう社会になっていることを示す前半。そういった社会をどうすべきかへの議論。

井手英策、今野晴貴、藤田孝典 『未来の再建 暮らし・仕事・社会保障のグランドデザイン』。ちくま新書。2018

第1章では、生活困窮者を支援するNPOで働く著者が、相談事例や社会事件などを元に現在の日本の生活不安をまとめる。
・リスク回避が困難となっている(自分の病気や家族の介護、離職などが発生すると生活困窮・貧困になることを食い止める手段がない)
・一方で生活困窮者に対し、「自己責任」「家族の責任」を強調し助けることを拒む世論がある(他国と比べ助け合いに対する支持が低い)

第2章では、第1章で紹介した今の日本社会が生まれてきた背景を探る。
・かっての高度経済成長と違い、今の経済成長は非常に低いレベルである。一方で社会は高い水準での経済成長を前提としたシステムになっている
・こうしたシステムが作ってきたのが「自己責任社会」モデルである。今の経済成長の状況でこの自己責任社会モデル(経済的な失敗者は道徳的な失敗者だ)が妥当なのかという考えなしに、自己責任社会感から生活困窮者への非難がされている
・ここには、実際には低所得層でありながら自分は中間層であると信じたい人々(所得の分布では平均所得以下は6割と、自分の階層意識が低所得であると認識する人が5%未満という大きな乖離)が、自らを中間層と考えたいために生活困窮者を攻撃している姿があるのではないか

第3章では、労働について日本の現状が書かれる。
・日本型雇用は決して労働者に優しくない。終身雇用のかわりに貢献度=苛酷な労働を求める
・非正規社員と正社員の差、正社員の精神疾患の増加など労働者の使いつぶしが見られる

第4章では、経済成長に頼らない(経済成長を前提としない)社会についての考察となる。
・くらしの場・はたらく場・保障の場の作り直し
・本書ではベーシック・サービスという考えをこれらの土台として考える

第5章では、社会福祉のありかたを見直す
・今の日本の社会福祉は選別型社会福祉であり、危機的な状況に陥いるまではサービスを与えようとしない
・新しい日本の福祉を考えるには、市民や社会からの突き上げが必要である。そこにおいて、福祉の現場にいる福祉専門職が声を上げることが重要

第6章では仕事についての考察が行われる。
・政府の働き方改革やAIなどによって状況が変わるとは考えにくい
・会社ではなく職業・職種による結びつきが必要になる

第7章ではまとめとして、日本が自己責任社会をこのまま続けるのか、錬体共助モデルへ変わるのかや、そのための財源について(税について)提案を行う。

テーマ : オススメの本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

tag : 未来の再建

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